足場職人さんの服装と言えば、やはりニッカポッカに地下足袋そして手首には手甲というのがオーソドックスな服装ですよね。しかしどうしてあんなダボダボのズボンを履いているんだろう?と不思議に思う人もいるのでは。
ニッカポッカとはどんなもの?
ダボダボしたニッカポッカはかっこよく見えますが、ただかっこいいから履いているのではありません。
足場職人さんの作業内容は高所作業が多く、ちょっとした油断が命に関わります。
そんな高所作業をサポートしてくれる機能性が実はあのダボダボのスボンに秘められているのです。
1番のメリットは足にまとわりつかないつまり動きやすいということ。
ニッカポッカの一番の機能面は、足をどんな方向に動かそうが、足にまとわりつかないという事です。
ズボンが足にまとわりつかないのは、足場職人にとってすごく重要で、作業中は日常生活じゃ絶対しないような体勢になることも多いのです。
その時にズボンがゆったりしていないと足が思うように広げられず足場を踏み外したりして、事故に繋がる可能性があります。
ニッカポッカならダボダボしていて、足回り全体にに余裕があるので自由自在に足を動かせるので急な動きにも対応できます。
そして裾が括られているので、足運びの時、裾を気にしないで歩けます。
次の理由はニッカポッカのダボダボがセンサーになること。
作業中には物を持ってたり、足元の安全を目視で確認しながらだと作業するのは効率が悪くなってしまいます。
ニッカポッカなら、ダボダボ部分が障害物に当たって危険をセンサーのように分かります。
その上ダボダボの部分がはためくことによって風の強さも周囲に知らせてくれます。
ダボダボ部分の揺れ具合で、自分がいる足場より下で作業している人に足場上の風の強さを知らせることができ、危険を知らせることができます。
その結果、仕事場全体の事故防止に繋がるのです。
最近はニッカポッカと地下足袋が禁止されている現場が増えている?
そんな便利で機能性の良いニッカポッカが最近、禁止されている現場が増えてきています。
大手のゼネコンを中心に「印象が良くない」という理由でニッカポッカは禁止で、平ズボンの着用が義務付けられている現場もあります。
厳しい現場では、平ズボンを着用していないと現場に入ることもできない所もあるそうです。
世間から見たニッカポッカのイメージは、
「いかにも職人って感じでかっこいい!」
「危険な現場で命をかけて働いている感じが粋だ!カッコいい!」
という良いイメージもある反面、
「ガラが悪く、怖いイメージがある!」
というマイナスイメージを持っている人がいるのも実情です。
また、イメージの問題だけでなく、ダボダボに広がっている裾が原因で、転倒の可能性があるのでかえって危険という意見もあります。
さらに、ニッカポッカと合わせて足場職人にかかせない地下足袋も禁止されている現場が増えています。
万が一、つま先に重いものを落としても骨折などの大怪我をしないように、鉄のプレートが入った安全靴の着用が義務付けられています。
しかし「地下足袋の方がつま先に力を入れやすいので踏ん張れる」「安全靴だと重くて動きにくい」と感じる職人さんもいるようです。
まとめ
ニッカポッカや地下足袋を履く人が減ってきた原因は機能性やカッコ良さに比べて、安全面や一般の人へのイメージの問題もあります。
しかし、昔に比べて作業服がニッカポッカより機能性が充実して安全性も高まり、デザインが豊富になったこと。
そして価格も安くなったことが原因と考えられます。
デザイン、カラー、機能性など様々な側面で実際に使用する足場職人さん達の選択の幅が広がることは、とても良いことですね。