真面目に働く人もいれば、人として守るべきルールを破って逮捕される人もいる。
それはどの職業でも同じです。
鳶職人にとってもそれは例外ではなく、中には犯罪に走ってしまう者もいます。
読者のみなさんは真面目に働いている職人さんばかりだと思うので、あなたが犯罪者になる要素はどこにもないのですが、たとえ悪意がなかったとしてもあなた自身が事件を起こしてしまう可能性があります。
実は他人事ではないかもしれないのです。
鳶職人が逮捕されてしまった事件3選
鳶職人が逮捕されてしまった事件を3つご紹介いたします。
鳶職の男性が無免許で車を運転しひき逃げした事件
自称とび職で28歳の男性がひき逃げの容疑で逮捕された事件です。
鳶職の男性が市道で車を運転していた際に対向車線の車に衝突し、そのまま逃走。
衝突された側の車には60代の男性が乗っており、胸の骨を折る重傷を負いました。
その後鳶職の男性は警察署に出頭し、逃走した理由について「免許を持っていないから逃げた」と話しています。
無免許運転はもっての外ですが、現場への移動中に歩行者を跳ねてしまったり、対向車などにぶつかってしまう危険は誰にでもあります。
また、交通事故でなくても、資材の過積載や積み込みの甘さによって荷崩れを起こし、後続車に資材が直撃してしまえば大きな事故につながる可能性もあります。
トラックの荷台のロックが適切にされていないことで荷物が落下し、後続車に直撃してしまう可能性もあるでしょう。
時には急ぎの仕事で迅速に移動しなければならない時もあるかもしれませんが、後になって後悔しないためにも安全運転を心がけたいものです。
資材の搬入作業中に19歳の女性鳶職人が転落死
みなさんに最も関係するのがこの事件でしょう。
平成30年2月、当時19歳だった女性の鳶職人が資材の搬入作業中に地上15.3メートルの高さから転落し、亡くなってしまった事件です。
原因は転落を防止するための「筋交い」が外されていたことにありました。
資材搬入のため一時的に筋交いを外していたようです。
労働安全衛生法では「作業の必要上臨時的に足場の転落防止設備を取り外す場合、労働者に安全帯などを使用させなければならない」と定めていますし、設備を取り外す必要がなくなれば「直ちに当該設備を原状に復さなければならない」という決まりになっています。
しかし、いずれも守られていませんでした。
このことで京都上労働基準監督署は現場を仕切っていた「職長」を労働安全衛生法第20条違反の疑いで書類送検しています。
鳶職の仕事はスピード勝負なところもあるので、焦って安全点検が疎かになってしまう、ということは誰にでも起こりうることかもしれません。
安全上の「ルール」は先人たちが経験した悲しい事件からの「教訓」です。
ルールを守ることは時に馬鹿馬鹿しく感じるかもしれませんが、ルールという名の先輩たちが自分たちを守ってくれているのです。
そのことに感謝し、いついかなる時も安全上のルールは守るようにしたいですね。
鳶職の男性が野球場の照明灯によじ登り10時間たてこもる
最後は、プロ野球の試合終了直後に、47歳で鳶職の男性が球場の照明灯によじ登り、建造物侵入の疑いで逮捕された事件です。
事件が起きたのは、1989年10月12日のヤクルトと大洋の一戦。男性が地上約43メートルの照明灯に登っている姿を球場関係者が発見し、消防署のレンジャー部隊などが出動する騒ぎになりました。
男性は照明灯の最上部付近にある、直径80センチほどの踊り場に座り込み、職員たちの説得にも応じませんでしたが、10時間が経過したあたりで結局降りてきて、そのまま現行犯で逮捕されました。
鳶職の男性は「大洋がサヨナラ勝ちしたので、うれしくて我慢できずに登ってしまった」と話しており、降りるよう説得される際に「大洋が弱いからいけない」などと叫んでいたことから、よほど大洋の勝利が嬉しかったのでしょう。
それにしてもなんともおバカな珍事件です!彼は酒に酔っていたとのことですから、よじ登る途中で転落することがなかっただけ本当に良かったですよね。
勢いあまってスタジアムの照明灯に登ることはなかなかないかもしれませんが、
酒に酔ってハメを外してしまい、人に迷惑をかけてしまうことはあるでしょう。
それが行き過ぎてしまうと逮捕される事態にもなりかねないので、お酒はほどほどに。
まとめ
今回は「鳶職人が逮捕されてしまった事件」についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
事件や事故は誰もが起こす可能性のあるものです。特に自分が職長の立場である場合は、現場の安全管理には細心の注意を払いたいものです。自分には関係ないと思わずに、「めんどくさい」と思った時ほど望ましい行動を取るようにしたいですね。