一般的に定年は60歳前後だと言われています。
しかし、鳶職の現場に行くと、時折「働いても大丈夫なのかな?」と思ってしまうぐらい歳を重ねていても働いている方を見かけます。
働いている姿こそエネルギーに満ちていて元気そうですが、いったい「鳶職の世界では何歳まで働けるのか」疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
鳶職の定年は何歳?そもそも定年はあるの?
鳶職に定年という概念はありません。
体力が続く限り、働き続けることが出来ます。
60歳を迎えても働き続ける人も多いですし、70歳でも元気に働いている職人さんを見かけたこともあります。
体は大丈夫ですか?と聞くと「あと10年はいける」と返ってきて驚いたことを今でも鮮明に覚えています。
鳶職に定年はありませんが、その一方で現場によっては作業内容が制限されている場合もあります。
たとえば、大手ゼネコンが統括するような現場で高所作業をする場合、高血圧や低血圧などの持病がある人には作業させてはいけないというルールがあります。
今のところ法律で年齢制限が設けられている訳ではありませんが、50歳以上の作業員が足場から転落するケースが多いと言われていますから、安全面を考慮してのことなのでしょう。
そのため、定年を迎えてからも実作業を続けるのは難しく、現場で働くとしてもそれまでの知識や経験を活かして、子方の指導・管理を行う仕事がメインになります。
鳶職の定年後の働き方
先ほど紹介した職人さんのように、定年後もパワフルに現場で働き続ける人もいます。
しかし、それはどちらかといえば少数派です。
多くの人は20代のうちに鳶職を辞めていきますし、30〜40代になってくると体力の限界を感じて辞めていく方もいます。
辞めた後は異業種に転職するか、親方になって子方に現場を任せるという働き方をする人もいます。
ただ、鳶職の仕事に魅力を感じている職人さんたちには、デスクワークが嫌いな人も多いです。
ある職人さんは「体が動かなくなるまで現場で働きたい」とも言っていました。
定年後も現場で元気に働く鳶職人が多いのは「体を動かす仕事が好き」な人が多いということも、もしかすると関係しているのかもしれません。
鳶職から異業種に転職するなら30歳までに
読者のみなさんの中には、鳶職の仕事を離れて異業種へ転職しようと考えている方もいると思います。
その場合は「できれば25歳、遅くとも30歳までに」転職するのが望ましいです。
なぜなら、未経験で雇ってもらえるのはそれぐらいの歳までだからです。
鳶職を辞めて異業種へ転職するなら「営業職」や「運送業」の仕事などが候補に上がりますが、歳を重ねてからは新しいことを始めるのが難しくなります。
物覚えは悪くなりますし、体力も落ちてしまう。
それに加えて、30歳を超えると人間性がある程度確立されてしまいますから、新しい組織に入ってもうまく馴染めない可能性もあります。
会社側からすれば、まだ価値観が揺れ動いている若い世代を引き入れた方が様々な面でメリットがあります。
要するに、30歳を超えると転職の難易度はグッと高まってしまうということです。
未経験の業種・職種に転職することを考えるならば、「できれば25歳まで」に、「遅くとも30歳」を超える前にしましょう。
まとめ
今回は「鳶職の定年」についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
鳶職に定年はありません。自分の体力が続く限り、働き続けることが出来ます。
歳を重ねてからの働き方は主に3つ。
「現場で働き続ける」か「異業種に転職する」か、親方として独立して現場は子方に任せる、または管理職になるなど「デスクワーク中心の仕事をする」ことです。
異業種に転職する場合は、25〜30歳までの間でしましょう。