どこの現場でも職長の方を必ず見かけるかと思いますが、彼らはいったいどのような仕事をしているのでしょうか?
いつも作業を進める上でさまざまな指示を出してくれるイメージはありますが、その他にはどのような職務を果たしているかどうかあまり知らないかもしれません。
今後あなたが知識や経験を積んでいけば、ご自身が職長になることもあるでしょうし、それがしばらく後だったとしても今の現場の職長さんがどんな仕事をしているのかを理解するのは重要なことです。
職長ってどういう役職なの?
職長とは、建設現場などの現場において作業員を直接指導監督する人のことです。
建設現場ではたくさんのヒトやモノ、機械が絶えず動いており、状況も常に変化しています。作業に集中している間はどうしても視野が狭くなりますから、潜在的な危険に気づくことも難しくなります。
そのため、現場の危険箇所や作業員を熟知している人が作業状況を管理し、災害を防止する必要があります。そして、その役割を担っているのが職長というわけです。
職長の役割
現場における職長の役割は「労働安全衛生規則(安衛則)」において定められています。
そのポイントをまとめると、以下の6つが重要であるとされています。
- 安全衛生管理:労働災害に繋がる恐れのある危険箇所を事前に把握し、現場の作業員が安全に作業できるよう配慮する
- 品質管理:作業員の安全性を確保することで安定した生産性を維持し、作業水準を安定させられるように管理する
- 工程管理:作業全体の工程を踏まえて適切な人員配置を行い、効率的に作業を進める
- コスト管理:備品の紛失や作業のやり直しなどから発生する不必要なコストを未然に防ぐ
- 環境管理:安全な作業環境の管理や、作業時に発生した危険性の高い副産物などの適性処理などを行う
- 人材管理:作業員の労働災害防止への関心保持や、作業員のモチベーションを管理する
職長に割り当てられた職務
職長に割り当てられた職務は以下のようになっています。
- 作業手順を正しく定める
- 作業方法を改善する
- 作業員を適正に配置する
- 作業者に対して教育指導を行う
- 作業者に対して監督・指示をする
- 危険性及び有害性を調査し、対策を実施する
- 環境の改善・保持に務める
- 安全衛生点検を繰り返し実施する
- 異常時の措置は適切に行う
- 災害発生時の措置は適切に行う
- 作業者の安全意識の高揚に努める
- 創意工夫を引き出す
幅広い業務範囲ではありますが、基本的には「作業員の安全を管理すること」が職長の最たる役割です。
日頃から作業員とコミュニケーションを取ることで情報を共有したり、関係性を築くなどして円滑に作業が進む環境を整えるなどの配慮が欠かせません。
そういった観点から、職長には「作業や危険災害に関する知識」に加えて、「コミュニケーションスキル」が必須と言えるかもしれませんね。
どうすれば職長になれるの?
職長になるためには、お勤めの会社の上司などから評価されることはもちろんですが、その他にも条件があります。それは2日間に渡って合計12時間の職長教育を受けることです。
教育というと少し身構えてしまうかもしれませんが、最近ではWeb講座も充実しています。
ご自宅で受講することも可能ですので、なかなかまとまった時間が確保できない方でも安心して受けられますよ。
まとめ
今回は職長の職務や仕事の役割について解説いたしました。いかがでしたでしょうか。
建設現場などの現場において作業員を直接指導監督する職長は、作業を効率的に進めたり、潜在的な危険を察知したりする上で欠かせない存在です。
業務内容としては作業員の管理が職長の主業務になるため、作業や危険災害に関する知識だけでなく、コミュニケーションスキルも求められます。
合計12時間の職長教育でしっかりと知識を身に付けたあとは、実践を繰り返すことで少しずつ自分の出来ることを増やしていきましょう!