番線とは、工事現場で足場の結束に使う針金のことを言い、専門的に使用される道具です。一般的には馴染みのない道具ですね。家庭では、ホースや木材の結束にも使うことができます。
足場の番線とは?
番線とは様々な太さの鉄線のことを指し、太さを番号で表すことから番線と呼ばれます。焼きなましているため普通の針金よりも柔らかく、足場で使用するのに適しています。
数値が大きいほど細く、太さによって用途が異なり、使い分けることで固定や結束をスムーズに行うことができます。足場業界では通常、番線というと12番線のことで、足場丸太などの結束に使用します。ホームセンターでは、結束用に切断された状態で販売されているものもあり、ホースや木材の結束に最適です。
丸太などを結束するときには「シノ」と呼ばれる、番線を締めるための専用の工具を用います。
建設現場において主に使用されるのは、
8番線:一般的な工事現場での緊結、結束
10番線:型枠などの緊結
12番線:足場や仮設の緊結
21番線:結束線とよばれ鉄筋の結束
といったものですが、8番線から21番線まで幅広く使用されます。
足場の番線の基本の結び方、締め方、張り方
簡単なものから順にご紹介します。
結び方1
U字に曲げた番線を、縛りたい支柱に巻き連結させましょう。
その時ワッカは手前になるようにして下さい。ワッカになった方にシノ―を通して、もう片方と交差させ、あとはクルクルと締め付ければ出来上がりです。
結び方2
結びたいものを〈結び方1〉と同じように縛るのですが、右からと左からとの2回縛り、クロスさせます。縛った反対側から見ると、番線がバッテン(クロス)になっています。これでより強い結束になります。あとはクルクルと締め付ければ出来上がりです。
丸太足場の縦地と布地の緊結
布丸太を手前に見て、はこ番線を斜めに差し込みます。上側の番線を左から右に、下側の番線を右から左に通し、手前に戻して合わせます。はこ番線の頭の輪にしのを挿し、手前に少し引き込んでから、根元からギュッ、ギュッ、ギュッと数回絞ります。余った番線は、引っかからないように切って叩いて向こう側に向けておきます。
足場の番線を張る時のコツ、ポイント
番線を張る時のコツ、ポイントをまとめてみましたのでご覧ください。
力はあまり要りません
締める際、さほど力は要りません。ワッカにシノやハッカーを差し込んで締め付けるだけで大丈夫です。
締める回数は3回から4回くらいですが、心配ならば少し多めに締めてみても良いかもしれませんね。
上手な締め方
結びが上手にできたときも、締め方に注意しましょう。
ワッカにシノを入れたら手前に少し引き込んでみて下さい。そして根元から締めていきます。
番線をしっかり締めることで、頑丈な結束になります。
NGな締め方
番線を締める時、根元から締めるのではなく先の方だけ締めると、番線の全体が締まっていない状態になってしまいます。
先の方だけに負担がかかると番線は切れてしまうので、必ず根元から巻き込んで締めるようにして下さい。
コツ
慎重になるあまりゆっくり巻こうとすると、番線の固さに力負けして、シノを挿している輪の辺りだけがぐるぐると回って番線が切れてしまいます。
ギュッ、ギュッと勢いよく回したほうが根元から番線を巻き込むことができます。
まとめ
建設現場で使用する番線も、家庭で園芸用に使用する番線も、結び方や締め方にはあまり違いがありません。専門的な道具ではありますが、慣れれば様々な用途で使用できますので、非常に便利です。
何度も繰り返して挑戦し、できるだけ早く頑丈に結束できるよう取り組んでみてください。