足場職人の世界では、職人として経験を積んだ後、社長になったり、独立したりすることが一般的です。
その際に多くの人がぶつかる壁が経営です。
足場職人は勤務時間のほとんどを現場で過ごすので、経営に関わる知識を身につけるチャンスがありません。
足場会社を一から始めるために
まず、会社を一から立ち上げるために必要なものを見ていきましょう。
資金調達
当然ですが、お金はがなければ何もできません。
あればあるだけ良いのですが、最低でも従業員全員を2ヶ月養えるだけは用意しておきたいですね。
資金の調達方法はいくつかあります。
まず検討するべきなのが、日本政策金融公庫やその他の起業支援制度からの融資です。
足場会社に6年以上の勤務経験がないといけなかったり、現実的な企業計画が必要などと様々な条件をクリアしないといけませんが、上手くいけば1番手っ取り早く資金を手にすることができます。
その他の資金調達の方法としては、クラウドファンディングという手があります。
クラウドファンディングとはインターネットを通して不特定多数の人から資金を提供してもらうことです。
要するに「カンパ」ですね。
その他にも資金調達には様々な方法があるので、時間をかけてじっくり調べましょう。
足場材の調達
足場会社を始めるのですから、足場材は必要です。
新品を購入できれば1番良いのですが、起業時にぞれだけのお金があることはなかなかありません。
そこで検討したいのが、中古やレンタルです。
中古やレンタルの足場材を取り扱っているウェブサイトを訪ねてみても良いですし、知り合いのいる足場会社から安く譲ってもらうなど色々工夫して、できるだけ安く足場材を用意したいですね。
土場・資材置き場の確保
足場材が手に入ったらそれを保管する土場が必要となります。
土場もレンタル可能なので、資金と相談して計画的に決断をしていきましょう。
土場に関しては立地条件も重要となります。
会社もしくは会社の駐車場から十分近いか、住宅が近くにないかなどを事前にしっかり確認しておきましょう。
トラックの購入
足場材を運ぶトラックは最低でも2台は必要となります。
維持費や修理代などもしっかり考慮して購入を検討しましょう。
保険の確認
会社を起業した際、会社の規模や社員の数に関係なく社会保険への加入は必須となります。
加入しておかないと、数年後に発覚して数年分の保険料をまとめて請求されることがあるのでしっかり確認しておきましょう。
また、労災保険も必須ではありませんが、入っておいた方が無難でしょう。
足場会社の経営者が行うべきこと
続いて、足場会社を立ち上げた後、もしくは社長の座を受け継いだ場合に心得ておかなければならないことを見ていきましょう。
職人達と経営・事務陣をつなぐ
足場会社では、現場で働く職人達と経営、事務作業を担当する人間が分裂しがちです。
このような会社内での分裂は避けなければなりません。
分裂を避けるためにまずするべきことは情報の共有です。
経営理念をアルバイトも含めた従業員全員と共有しましょう。
些細な報告も社内報などを使って全員に行き渡るようにしましょう。
職人vs事務員というような構図ができてしまうと最悪です。
お互いの役割を理解し、協力し合いましょう。
数字の分析・管理を怠らない
過去と現在の売り上げ、利益、損失を把握し、未来の会社の行く末を予測する。
従業員の勤務時間、勤務日数を把握し、従業員の生活や健康を守る。
このような細かい数字の管理は経営者の仕事です。
長く続いている会社の経営者は例外なく数字に強いです。
数字の管理は徹底しましょう。
まとめ
右も左も分からない状態から、一つ一つできる作業を増やしていき、失敗を重ねて一人前になっていく。
これは職人も経営者も同じことですね。
まず自分にできることとできないことを見極め、地道にそして着実に学んでいきましょう。