足場材は近年アルミやスチールで作られたものも多くなり、これまでの木とは違ってずっと使い続けられる製品へと進化してきました。とはいえ安全第一の足場工事ですので、足場材の耐用年数についてきちんと知っておきたいですよね。
足場材の耐用年数は法律で定められている?
建築用足場として使用されるパイプ、丸太等は、建築現場の規模に応じてその本数が決定されるものなので一定の単位を設けるのは非常に難しいです。
何本をもって1単位と判定すべきであるか明確にできないのです。
そのため、足場材としての耐用年数が定められているわけではなく、1本ごとに判定して差し支えないとされています。
もちろん、いつまでも使い続けても良いというわけではありません。
労働安全衛生規則において、事業者は足場の材料についてかなり損傷している場合、変形してしまった場合、腐ってしまっている場合など、品質に問題があるときはその足場材を使用してはいけないと定められています。
また、足場の組立て等の作業主任者は材料の欠点について必ず点検を実施し、不良品を取り除くことが職務のひとつです。
選別後の評価の結果がC級と判定された仮設機材については、誤って再使用することを防止するため、速やかに廃棄することをおすすめします。
買ってから時間が経っていない場合であっても、必ずこまめに点検を実施してください。
足場材の実際の耐用年数はどのくらい?
前述したように、足場部材そのものの耐用年数を定めた規定は存在しないです。
これは、製品の素材が木ではなくスチールやアルミになったことにより長期間の足場部材の使用が可能となったことや、使用期間の長短にかかわらず使用状況によっては不良品となることがあることなど、様々な事柄を考慮し決定しなければならないためです。
使用可能な年数をはっきりと定めることが現実的でないという判断によるものですね。
しかし、長期間繰り返し使用する足場部材が劣化することにより、災害を引き起こしてしまう可能性も否定できません。
そのため、厚生労働省は労働安全衛生法42条の構造規格適合の足場部材については「経年仮設機材の管理に関する技術指針」を公表するとともに、構造規格適合品以外の足場も仮設工業会が独自の仮設機材認定基準を定めることによって、不良品の流通を妨げる仕組みを徹底して作り上げています。
そこでは、選別による整備、修理、廃棄について、目視による判定基準が示されるとともに、性能を測る試験を実施することが明記されています。
特に、使用された期間が長期である場合(くさび緊結式足場の部材については8年以上)は、原則としてサンプリングによる性能試験を1年ごとに実施することになっています。
適切な経年管理を実施している足場については、耐用年数を懸念する必要はありません。
まとめ
足場材の耐用年数は、現場の広さや作業の種類によって使用される足場材の数が異なるためはっきりと定められておらず曖昧です。
また、事業者や作業主任者には足場材の安全点検、管理が義務付けられています。
仮設工業会の定める仮設機材認定基準をクリアし、1年おきに経年管理を行っていれば、耐用年数を懸念する必要はありません。
足場材の耐用年数について知りたいときはぜひこの記事を参考にしてみてください。