筋交い(すじかい)とは、地震や風などで倒れたりしないように、柱と柱との間に斜めに入れる材を指します。
日本の木造建築は、柱と柱を梁で水平につなぐ施工方法をとります。
このとき建物の上方向からの圧力は柱で支えることができますが、地震の横揺れや台風の際の強い横風など横から掛かる圧力には対応できません。
そのため、耐震・耐風対策の補強材である筋交いが必要になります。
筋交い(ブレス)って何?なぜ必要?
筋交い(すじかい)とは、地震や風などで倒れたりしないように、柱と柱との間に斜めに入れる材のことです。
筋交いのない壁の強度は非常に弱く、横からの力で簡単に倒壊してしまいます。
そのため、建物の柱と柱の間に、土台から横架材に届くよう斜めに筋交いをし、壁の強度を上げて対応する必要があるのです。
鉄骨造りの建物の場合、筋交いと似たブレスというものがあります。
ブレスは鉄筋などの形鋼でつくられた補強材で、軸組に対角線上に渡します。
建築基準法では、建物の壁に一定の割合で筋交いなどの入った耐力壁を取り付けることを義務付けています。
建築基準法施工令第45条「筋かい」では、筋交いの素材や厚さ、幅や取り付け方などが規定されています。
足場における筋交い(ブレス)の基本的な設置方法は?
足場は恒久的に使うわけではないので簡易に耐震性を図る必要があります。
しかし、足場に置いても建築物と同様に、筋交いには構造体の耐震性を強める効果があるため建築物に必要不可欠です。
建築基準法は一定の割合で筋交いを使用することを義務づけています。
単管足場の筋交いは、けた行筋かい(大筋かい)、はり間筋かい、水平筋かいの3種類が規定されていますが(日本工業規格JISA8951)、くさび緊結式足場では、筋かいは大筋かいを指します。
まず入れ方は、例えば、立方体のボックスを作るとき直交クランプを使います。
筋交いはそれぞれの単管パイプに自在クランプを使って取り付けます。
3mが2本もあればよいでしょう。それで設置完了です。
- 筋交いを入れるときは全スパンにハの字型に入れる
- 足場の筋交いを全層全スパンにわたって設置する
- 大筋交いを足場用鋼管により設置し、その傾きは水平に対し概ね45°とし、足場用鋼管は緊結金具を使用して各緊結部支柱に取付ける
- くさび式足場用斜材を原則として連続して設置する
- 一側足場を除き、X種のくさび緊結式足場用先行手すりを設置する
以上が注意事項です。
特にくさび式足場用斜材は連続して間なく設置する事が必要ですから、くさび足場式斜材を取り付けるときは注意が必要です。
両端の最下部にある緊結部を起点に全層全スパンになるように連続して取り付け、1構面を横から眺めて「ハの字」になるように設置します。
もちろん例外もあって、緊結部が塞がってしまって必要な位置に設けられない場合は、斜材が連続しない状態もやむを得ないとされています。筋交いの連続は絶対ではなく、この場合は、1つ上または下にある緊結部から連続して設けることになります。
筋交いは、単管足場用鋼管とくさび式足場の専用部材のどちらを用いてもかまいません。
しかし、くさび式足場の専用部材は、布板芯掛けの一側足場のような単管足場用鋼管では対応できなかった現場にも設置可能です。
まとめ
筋交いとは、耐震、耐風などのために補強のために入れる建築資材です。
足場の場合は、鉄製の物(ブレス)を主に使います。
建築基準法によれば、足場に置いても筋交いを入れることは義務付けられています。
注意点は、足場の全スパンにわたって設置することと、間なく連続して設置するためにハの字型になるように設置することです。