職長は建設現場などにおいて作業員を指揮・監督する立場の人のことです。
現場の責任者として、作業員の安全を守り、作業が効率的に進められるように管理する役割があります。
人や資材、重機などさまざまなものが出入りし、動いている現場は危険と隣り合わせです。
そのため職長となる人はそうした危険を事前に防ぐための知識や対処法、人員配置などについて学んでおく必要があります。
職長教育とは？
職長教育とは、職長としての基本的な管理能力・指導力を育成するための教育のことです。
現場の作業を円滑に進めるための知識やスキル、作業員を指揮監督するための能力を身につけることが目的です。
実技試験等はありません。
また、職長教育は資格試験とは異なり、合格・不合格を問う試験はなく、受講すれば職長教育を完了したことになります。
そのため講座修後は資格証ではなく修了証が発行されます。
18歳以上であれば誰でも受講可能です。
そして5年おきに再教育を受ける必要があります。
職長は様々な役割があり、業務が増えることもありますし、責任を伴いますが、キャリアアップにも繋がり、現場を指揮監督するという立場から仕事へのモチベーションが高まります。
今後職長を目指すという方は、職長教育についても具体的に知っておくといいでしょう。
職長教育の内容
- 作業手順の定め方、労働者の適正な配置・・・2時間
- 指導及び教育の方法、作業中における監督及び指示の方法・・・2.5時間
- 危険性又は有害性等の調査の方法、危険性又は有害性等の調査の結果に基づき講ずる措置、設備·作業等の具体的な改善の方法・・・4時間
- 異常時における措置、災害発生時における措置・・・1.5時間
- 作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法、労働災害防止についての関心の保持及び労働者の創意工夫を引き出す方法・・・2時間
上記の合計12時間を2日間に分けて受講します。
建設会社の事業者が独自で開催している場合があるほか、職長教育を開講している全国各地の協会などに申し込みをして受講する方法があります。
出張講座やWEB講座を開講している協会もあるため、事業者とも確認し、合う方法で受講するようにしましょう。
職長と安全衛生責任者の違い
職長と安全衛生責任者は、いずれも現場を管理し、責任を持って指揮監督を行うという点では同じ役割といえます。
しかし、職長と安全衛生責任者には以下のような違いあります。
職長は作業員を監督する責任を負っていますが、安全衛生責任者は、現場が作業員と公衆の双方にとって安全であることを保証する責任を負っています。
職長は作業者や現場の作業全体に対して責任を持つのに対し、安全衛生責任者は職場の安全管理全般に対する責任を持ちます。
役割としては重なる部分が多いですが、責任についてはそのように区分されていると言えるでしょう。
まとめ
本記事では、職長教育について詳しくご紹介するとともに、職長と安全衛生責任者の違いについてもご説明いたしました。
いかがでしたでしょうか。
職長は作業員の安全確保や効率的な作業のため現場を指揮監督する役割があります。
職長になる人は職長教育を受講しなければならず、5年おきに再教育を受ける必要があります。
職長教育は資格試験ではないため、受講が完了すれば修了証を受け取ることができます。
安全衛生責任者と役割が重なる部分もありますが、職長は現場の作業を円滑に進めるなど作業全体についても責任があるのに対し、安全衛生責任者は現場の安全面に対して責任を伴う、といった点に違いがあります。
