鳶職人なら誰しも、親方として独立することを考えたことがあると思います。
「親方になれば稼げる」という噂をよく耳にすることもあるかもしれませんが、実際のところはどれくらい稼げるのか気になりますよね。
また、どんなことをしていけば親方として稼ぐことが出来るのかも知っておきたいところです。
鳶職の親方の年収はいくら?
厚生労働省が令和元年度に行った賃金構造基本統計調査や、鳶職の知人から聞いた実情などを参考に平均年収を計算したところ、令和元年度におけるとび工の平均年収は「約393万円」でした。
全職業の場合は平均年収が約436万円でしたので、鳶職の年収は日本全体の平均よりも少し低めの水準といえます。
鳶職人は稼いでいるイメージがあるかもしれませんが、収入がピークを迎える40〜50代でも約380万円〜440万円とされており、平均の数値だけ見ると実はそれほど高い水準ではありません。
しかし、その一方で、親方として独立した場合の平均年収は500〜600万円と言われています。
中には年収1,000万円を超える人もいるので、「親方になれば稼げる」というのはあながち間違いではないでしょう。
稼げる親方になるには何をすればいい?
親方になれば稼げるということを確認したところで、次に気になるのが「稼げる親方になる」ためには何をすればいいのか?ということですよね。
これをすれば稼げるようになるという確実な成功法則はありませんが、最低限押さえておきたいポイントはあるので、そのポイントをご紹介したいと思います。
職人や見習いを雇う
もしあなたが、年収1,000万円以上稼ぎたいと考えているのであれば、職人や見習いを雇い、こなせる案件の数を増やしていくしか方法はありません。
仮に日当17,500円で月に25日働いたとしても、月収43万円ちょっと。年収にして500万円程度しか稼げません。
いくら稼ぎたいかにもよりますが、一人でどれだけ懸命に働いたとしても稼ぎには限界があります。
鳶職として稼ぎたいなら人を雇う必要があるということは、頭に入れておきましょう。
できる作業の種類を増やしていく
対応できる作業の種類が多ければ多いほど、仕事の依頼も受けやすくなります。
要するに資格を保有しておきましょうということなのですが、持っていると役に立つ資格は、たとえば以下のようなものです。
- 玉掛け技能資格
- とび技能士
- 足場の組立て等作業主任者
- 建築物等の鉄骨組立て等作業主任者
鳶職人としての価値を上げるならば、ぜひこれらの資格は取得しておきたいところです。
親方として独立する前からコツコツ開業資金を貯めておく
親方として独立した方によくある失敗が、資金繰りに失敗して廃業に追い込まれるケースです。
建設業界の支払いは2ヶ月後などと遅れることが多く、二次請け又は三次請けともなると、さらに遅れる可能性も考えられます。
日々のガソリン代や備品の購入、その他さまざまな出費があることを考慮すると、いざという時に動かせるお金は用意しておいた方が良いです。
最低でも2ヶ月分の人件費(人数分)や経費を支払えるくらいの資金は確保しておきましょう。
一次請けや二次請けとの信頼関係を大切にする
安定して案件を獲得するためには、信頼を積み重ねる必要があるからです。
納期通りに仕事をこなしたり、良い仕事をするのはもちろんですが、取引先とうまくやるために最低限のコミュニケーション能力も必要です。
また、たまに一次請けをすっとばして直接依頼をしてくる元請けもいますが、必ず一次請けを通してもらうようにした方がいいです。後から後悔しても遅いですからね!
子方との関係性も大切に
取引先を大切にするのはもちろんですが、稼ぐ親方になる上で最も大切なのは子方です。
よく従業員は「人財」と言われますが、子方を大切にしないと辞めていってしまいますし、そうなると非常に困ります。
ご飯につれていってあげたり、頑張りに応じて還元したりと、子方から「この人の元で働きたい!」「この職場がいい!」と思ってもらえるような努力も必要です。
まとめ
今回は鳶職の親方の年収や稼げる親方になるには何をすればいいかご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
稼げる親方になるためにできることは、職人や見習いを雇って会社を大きくしていくことです。
子方を育てていくために、鳶職人として自身の実力を磨いていくことはもちろんですが、人間関係あっての仕事です。
関係性を維持することも欠かせません。
目先の利益ばかりにとらわれず、自社の従業員や一次請け、二次請けとの信頼を積み重ねていく意識を忘れないようにしましょう。