高所からの墜落・転落は、死亡事故に直結します。
ここ数年の死亡事故のうち、約25%が墜落・転落に該当するそうです。
しかし、高所作業を行わざるを得ない仕事も多く、避けて通ることはできません。
その高所作業で欠かせないのが足場です。
足場は高所作業に必ず必要で、作業時に多くの人が利用します。
厚生労働省は、この墜落・転落を含む作業中の事故を防ぐため、頻繁に法律や規則を改正しています。
平成27年度から足場の組立・解体等の作業を行う人も特別教育が必要になりました。
さらに、事故防止のための点検を強化し、事故を未然に防止することを呼びかけています。
足場の点検内容は?
まず、点検内容について詳しく見てみましょう。
主な点検の時期と〈点検範囲〉と(点検者)は、以下の通りです。
①作業前 〈作業を行う範囲のみ〉(各事業者の職長)
②組立・変更・一部解体後 〈全範囲〉(各事業者の職長・注文者)
③悪天候後 〈全範囲〉(各事業者の職長・注文者)
②③については注文者も必ず点検しなければなりません。
さらに、②③については作業を行う範囲に限らず全ての範囲を点検することとされています。
①作業前点検は、朝礼等の終了後に行われることがほとんどですが、午前中の作業で取り外し等の変化がある場合もありますので、昼休憩後にも行うのが望ましいです。
これらの点検作業は、異常の早期発見、事後防止のため、必ず実施しなければなりません。
足場点検表のダウンロード方法は?
厚生労働省のホームページにて「足場自主点検表」をダウンロードすることができます。
但し「足場自主点検表」を基準にしていても、「わく組足場」「単管足場」「くさび緊結式足場」「低層住宅用くさび緊結式足場」などによって、チェックする場所や様式を変更して使用する必要が出てきます。
仮設オンラインストアでは、各種類の点検表が充実していますから、必要な場合はぜひ検索していただくことをオススメします。
厚生労働省ホームページ 仮設安全オンラインストア
足場点検表の記載方法は?
点検には先述したようなチェック用紙を用い、該当する箇所の有無に加え、措置が適切であるか否かを確認していきます。
- 床材の損傷、取付け及び掛渡しの状態
- 建地、布、腕木等の緊結部、接続部及び取付部のゆるみの状態
- 緊結材及び緊結金具の損傷及び腐食の状態
- 手すりや中さんなどの取りはずし、脱落の有無
- 幅木等の取付状態及び取りはずしの有無
- 脚部の沈下及び滑動の状態
- 筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の取りはずし、脱落の有無
- 突りようとつり索との取付部の状態及びつり装置の歯止めの機能
上記の項目は条文からの引用ですが、主に足元から床材、手すりなどの設備が、外れていたり、緩んでいたり、壊れていたりしないかチェックすることになります。
目で見てわからない場合は、手で触って、2度3度揺すって確認するのも大切です。
もしも点検で、異常や不具合が確認できた場合は、放置せずすぐさま修理や補修を行いましょう。
不具合を不具合のまま放置しておくと、それが原因で事故になりかねません。
気がついたら、即対応が重要です。
チェックシートなどの記録簿は、少なくとも足場が解体するまでは保存しましょう。
工事であれば検査があるので、その時にも必要になりますよね。
まとめ
点検は足場設備が正常であるかの確認です。
足場は様々な人が使用します。作業に応じて足場に手が加えられます。生き物のように変化する足場は、場合によっては異常箇所も出てきます。そしてもし異常箇所があるのに見過ごされていると、事故の原因となってしまうのです。足場の使用において、点検は非常に重要です。足場を使う全ての人に関わることなので、基準に従い適切に行いましょう。