大工さんや足場職人さんなど、現場で職人として働いている方であれば一人親方になることを目標にしている人も多くいらっしゃるかと思います。
自分で仕事のやり方を決め、先頭に立って現場を回していく親方の姿は憧れがありますよね。
一人親方は個人事業主です。
そのため保険などの各種手続きや税務、経理など様々な事務作業を一人で行わなければなりません。
このほかにもデメリットはいくつかあります。もちろんメリットも様々あります。
今後一人親方を志す方であれば一人親方としての働き方について知っておく必要がありますよね。
一人親方のメリット
まずは現場のみんなの憧れである一人親方のメリットから見ていきましょう。
一人親方のメリット1:上司や同僚がいないので自分らしく働ける
一人親方は会社員ではなく個人事業主なので上司や同僚といった存在はいません。
同じように一人親方をやっている仲間は増えると思いますが、仕事についてあれこれと上から口出しをされることはなく、自分で仕事のスタイルを決め、自分らしく働けるという点を魅力として挙げる方が多いです。
命令されることもなければ同僚などとの人間関係に気を使うこともないので楽とも言えますね。
現場で腑に落ちないことがありそんな状況を変えたいと思っている、建築・建設に対する自分の信念があるという方は一人親方という働き方のスタイルの方が向いているかもしれませんね。
一人親方のメリット2:稼げる
人脈や営業力、手腕にもよりますが、一人親方は会社員よりも稼げることが大きな魅力です。
年収1,000万円を目指すのも夢ではなく、実際に稼がれている一人親方の方も多くいらっしゃいます。
「雇われより仕事の単価が高い」「値決め交渉等も自分次第でできる」「常用代がそのまま支給される」と収入面でのメリットが大きいことを語る一人親方の方も多いですね。
会社員で働いていると日給、月給がほとんどですが、一現場いくら、と請け負い・単発で仕事を取ることも可能になります。
一人親方のメリット3:自由な働き方ができる
一人親方は自分で仕事をコントロールすることができます。
家族との時間を大切にしたいときに仕事量や納期を自分で決めることができますし、育児休暇も取りやすいです。
帰る時間も自分で決めることができるので、プライベートの時間もきちんと取ることができ、会社員時代に比べて格段にワークライフバランスが良いという声が多いです。
もちろん事務作業など業務量は会社員時代に比べて増えますが、自分次第で効率的かつ自由な働き方ができますし、現場のスケジュールを自分で組めるのも大きな魅力ですよね。
一人親方のデメリット
次にデメリットを見ていきましょう。
一人親方を目指すのであれば、デメリットやリスクも目を背けずしっかりと理解した上で志したいですね。
一人親方のデメリット1:仕事の幅が広げにくい
一人親方は大企業と直接取引できないケースが多く、仕事の幅が広げにくいといったデメリットが存在します。
会社員時代などに信頼関係が構築できていれば一人親方になってからも仕事を頼んでくれる企業はあるかと思いますが、基本的に大企業は大企業に仕事を依頼する場合が多いので、大きな仕事を取りたいと思った時に「一人親方(=個人事業主)」であるという肩書きが障壁になる可能性があります。
また、人を雇わずたった一人で仕事をする場合、1日にこなせる作業量が決まってきますので、取れる仕事の幅や件数も自ずと決まってきてしまいます。
一人親方のデメリット2:確定申告する必要がある
雇われているときは確定申告は会社が行うため源泉徴収を受け取るだけで済みますが、一人親方として独立すると個人事業主という扱いなので自分で確定申告をする必要があります。
そのため「領収書を整理するのが大変」「帳簿付けが面倒くさい」という声はよく聞かれますね。
外注して税理士を雇うという方法や、奥さんに税務・経理の仕事を覚えてもらうという方法もありますので業務量が負担になる場合はこうした方法も検討したいところです。
一人親方のデメリット3:融資が受けにくい
これは一人親方に限ったことではないのですが、個人事業主として開業したばかりですと融資が受けにくい・ローンの審査が通りにくい・クレジットカードが作れないなどのリスクが発生します。
会社員として働いていた時に比べて社会的信用が低くなるので、ある程度の売り上げが立って信用が確立されるまではこうしたリスクを向き合って生活しなければいけません。
信用をみられるので、家を借りる際に審査で苦労する方も多いようです。
一人親方のデメリット4:仕事がなくなるリスクがある・収入が安定しない
冒頭でもご説明した通り一人親方は個人事業主です。
会社員ではないので給料が安定的にもらえるわけではありません。
そのため仕事がない、収入が安定しないというリスクも抱えています。
自分次第で大きく稼ぐことができる反面、仕事が取れない時も自己責任であり、そうしたリスクとも向き合う覚悟が必要です。
仕事が一向になく生活費が稼げない時はプライドを捨ててアルバイトをしなくてはならないだろう時期もあることを視野に入れておいた方がいいでしょう。
また、一人親方に限らず現場でのお仕事は体が資本です。
会社員の場合はケガや病気で休んだ場合にも休業補償などが適用されることがありますが、一人親方はケガをしてしまい一定期間現場に入れなくなった場合、病気にかかり健康を害してしまった場合は収入が途絶えてしまいますね。
また、高齢化して現場で思うように働けなくなるリスクもあります。
将来を見据えてしっかりと貯金や老後のための投資を行わなければいけません。
一人親方のデメリット5:社会保険、厚生年金に加入することができない
一人親方は個人事業主ですので、社会保険や厚生年金には加入することができません。
社会保険や年金に関しては以下の記事に詳しくまとめてありますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は、一人親方のメリット・デメリットについて詳しくご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
数で比較するとデメリットの数が勝ってしまいましたが、自由に働けて、稼げるチャンスの大きい一人親方は魅力は一つ一つがとても大きいですよね。一人親方になると事務作業が増えるなど、業務量にも違いは出てきますが、「安定した収入が得られるかどうか」という点が一番大きな懸念点となるのではないでしょうか。
一人親方は仕事をやればやるだけ稼げます。しかし逆に体を壊してしまったりして現場に入れないときお金も入ってこないリスクがあるのです。
メリットも大きいですが、それ相応にデメリットも存在するのが現実なので、メリット・デメリットの双方の側面から知っておくと良いでしょう。ぜひ参考にしてみてくださいね。