新型コロナウイルスが第2波、第3波と次々に襲ってくる中、各種の業界でクラスター(感染連鎖を引き起こす可能性のある集団感染)対策のための営業規模縮小あるいは期間を決めて休業を行う企業が出ています。
建設業界も例外ではなく、元請け企業が現場で仕事をする職人の人数制限や工期延長を行い、下請けの中小企業が実質休業状態に追い込まれることもあります。
企業に所属している職人がコロナを原因とする会社からの指示で休業した場合は休業補償を貰えますが、個人事業主である一人親方が休業補償の対象かどうかを報道で知ることは難しいのが現状です。
新型コロナの休業補償給付対象の条件まとめ
初めに一人親方が「新型コロナ対応休業支援金(給付金)」対象とされる条件を確認しておきましょう。
①雇用主が、政府が定めた中小企業であること。
4種の産業分類で「その他の業種」に入る建設関係は、資本金の額・出資の総額が3億円以下、常時雇用する労働者が300人以下。
②事業主が新型コロナウイルスの影響を受け一時的に事業の規模縮小・休業を行うため、雇用を維持したまま労働者に休業を求めたものであること。
※事業主がコロナの影響により事業縮小に伴い解雇した場合、またはコロナの影響で倒産 した場合は「休業」とみなされない。
③自身のコロナ感染あるいは感染が疑われるための自主休業ではないこと。
※コロナ感染の経路が事業場内の感染者との接触によるものと想定される場合は「休業」とみなされないが、労災保険給付の対象となる。
④自己都合による有給休暇中でないこと。
【注意点】
「新型コロナ対応休業支援金(給付金)」は事業主が申請するのではなく、労働者が自ら申請しなければ給付されません。
申請忘れのないよう注意して下さいね。
一人親方はコロナでも休業補償を貰えるのか
厚生労働省が休業補償給付対象としているのは「事業主の指示により休業し当該休業に対して休業手当が受けられない中小事業主に雇用される労働者」で「休業の前提となる雇用関係がないフリーランス(個人事業主)の方は対象とはなりません」と明示されているため、個人事業主である一人親方は休業補償の対象外となります。
しかし、一人親方も休業補償を貰える場合があります。
「フリーランスの仕事の他に、中小企業の労働者としても雇用されている場合は、当該雇用に係る休業が支援金・給付金の要件を満たせば対象となる」という規定があるのです。
一人親方が元請け業者と契約社員として仕事をしている場合は当然ですが、業務委託契約も含め、その他の請負方法の場合でも、勤務時間・仕事内容などについて元請け・現場責任者の指示に従って業務を行っている場合は実質「労働者」と認められますので給付対象者に含まれることになります。
つまり、一人親方が個人で請け負った仕事を休んだ分に関しては対象外で、自己裁量ではなく、元請の指示に従って業務をしていたのなら「雇用されている労働者」とみなされますので休業補償をもらえるというわけです。
まとめ
今回は、一人親方はコロナでも休業補償を貰えるのかをご説明しました。いかがでしたでしょうか。
自分の仕事の仕方が「労働者」に相当するのか、コロナの補償対象条件を満たしているかを確認し、きちんと申請してコロナの休業補償を貰いましょう。