税理士はいわば税金のプロであり、日々の帳簿付けのサポートをしてくれたり、確定申告業務を代行してくれます。
基本的には中〜大規模の会社が税理士を雇っているイメージがあるかもしれませんが、「一人親方のような個人事業主にも税理士は必要だ」との声もあります。
果たして、本当に一人親方にも税理士は必要なのでしょうか?
もし必要ならば、税理士との顧問契約にいくら掛かるのか、また、どのようなメリット・デメリットがあるのかなども気になるところです。
一人親方でも税理士は必要?
一人親方でも税理士は必要なのでしょうか?
答えとしては「必要な人もいれば必要ない人もいる」です。
要するに人それぞれということですが、一人親方で税理士が必要な人にはある特徴があります。
その特徴は以下のようなものです。
- 年間の売上が1000万円を超える
- 日々の業務が忙しく申告業務どころではない
- 帳簿付けや確定申告など税務の知識がない
基本的には、自分の会社の経営状態について自分で理解していた方が経営改善もしやすいため、自分で帳簿付けや確定申告業務などを行うのが理想です。
しかし、年間の売上が1000万円を超えると、所得税のみならず消費税の申告も必要になります。
特に年間の売上が1000万円付近の一人親方は税務調査されるリスクが高い傾向にありますから、より一層正しい税務処理が求められるのです。
もし、税理士が必要な人の特徴として挙げた上記3つのいずれかに当てはまる方は、税理士を雇うことを検討してみてもいいかもしれません。
とはいえ、いきなり「税理士を雇うか検討してください」と言われても、税理士を雇うことによってどんな良いことがあるのか、逆に、良くない点があるとすればどんなことかを理解していなければ、適切な判断は下せませんよね。
ですから、ここからは税理士を雇うメリットとデメリットについてご紹介していきます。
一人親方が税理士を雇うメリット・デメリット
税理士を雇うことのメリットとデメリットについてご紹介いたします。
税理士を雇うメリット
税理士を雇うことのメリットには以下の4つがあります。
- 正しく帳簿付けができる
- 本業に専念できる
- 資金繰りの相談ができる
- 万が一税務調査が入っても安心
正しく申告が出来ることや、税務処理に使っている時間を他のことに使えるというのは大きなメリットと言えるかもしれませんね。
続けて、税理士を雇うことのデメリットについてご紹介します。
税理士を雇うデメリット
税理士を雇うことのデメリットには、以下の2つがあります。
- 費用が掛かる
- 経費や税金などの税務に関する知識が身につかない
当然ではありますが、税理士もボランティアではなくビジネスでやっていますから、依頼するための費用は掛かります。
(依頼に掛かる費用の相場に関しては後述いたします。)
意外と見落としがちなデメリットが、経費や税金などの税務に関する知識が身につかないことです。
帳簿付けや確定申告業務を通して自然と自分の会社のお金の流れを整理することになりますが、この作業を自分でやらなければ「自分の会社のお金の流れが掴めない」まま事業を進めることになります。
たとえば、支出ばかりが増えて費用が売上を圧迫しているのに、「何にどれぐらいのお金を使っているかわからない」という状態を招きかねません。
そうなってしまうと、どの費用を削れば現状を改善できるか分からずに、削ってはいけない費用を削ってしまったことが原因で様々なトラブルを誘発するかもしれません。
「自分の会社のお金の流れを理解しているから問題ない」ということであれば税理士に丸投げしてもいいかもしれませんが、面倒くさいから・知識がないからと言う理由で丸投げしてしまうと、ひょっとすると困ったことになるかもしれない、ということは覚えておきましょう。
一人親方の税理士費用の相場はどれくらい?
一人親方(個人事業主)が税理士に税務処理を代行してもらう場合、どのくらいの費用が掛かるものなのでしょうか?
税理士費用の相場を表にまとめてみましたので、以下の表をご覧ください。
年商 | 顧問相場(月額) | 記帳代行(月額) | 申告代行(年額) |
〜1,000万円 | 13,000円 | 6,000円 | 76,000円 |
1,000〜3,000万円 | 17,000円 | 7,000円 | 96,000円 |
3,000〜5,000万円 | 21,000円 | 10,000円 | 116,000円 |
5,000万円〜1億円 | 28,000円 | 13,000円 | 145,000円 |
年間の売上高によって依頼に掛かる費用は多少前後しますし、依頼する税理士事務所によって料金設定は異なりますが、おおよそこれぐらいの費用が掛かるものだと思って準備しておくと良いと思います。
自分で帳簿付けや確定申告を行えば費用は掛かりませんが、仮にこれらのサービス全てを税理士に丸投げしたとすると、最低でも約30万円は掛かってしまうということになります。
税理士と顧問契約を結ぶことで多くのメリットがある一方で、それなりの費用が掛かってしまうことは避けられません。
自分の懐事情などと相談して税理士を雇うかどうかを検討してください。
まとめ
今回は「税理士費用の相場」や「一人親方に税理士は必要なのか?」についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
税理士に顧問契約を依頼する場合は月に13,000円〜28,000円程度、記帳代行を依頼する場合は6,000円〜13,000円、申告代行を依頼する場合は年に76,000円〜145,000円程度の費用が掛かります。
税理士と顧問契約を結ぶ必要があるかどうかは人によって異なりますので、「年間の売上が1000万円を超えている」か、日々の業務に加えて自分で「帳簿付けや申告業務が出来るか」どうかを基準に判断しましょう。