工事現場では、時として建物や機材へ傷を付けてしまう事故が起こることがあります。
一人親方の場合、それらの工事中に起きた物損事故に対しての損売賠償責任を自分個人で負わなければなりません。
事故の大きさによっては弁済額が非常に高額になり支払えない可能性もあるため、物損事故に対する保険に加入しておいた方が安心ですが、建設工事での事故に対応する物損保険も、生命保険と同じく会社ごとの特色があり、どの保険会社の商品が良いのか正直なところ分からない人がほとんどでしょう。
一人親方におすすめの物損保険
いずれの保険会社も年間の売上高、保険の最高保証金額の設定、オプションの有無などの条件によりが保険料が変わりますので、価格比較ができないため保証の内容のみのご紹介になっています。
AIG損保【事業総合賠償責任保険STARs】
関東を中心としていますが、全国対応もしている人身・物損の両方をカバーできる商品です。
業務遂行中に工事を行っている建築物に損害を生じさせた。
あるいは、隣接する建物に損害を生じさせてしまった。
工事終了後に引き渡した物件に不具合が出た等の物損事故に対するものは「業務遂行・施設危険」の保証対象で、資材の落下等が原因で第三者に怪我を負わせてしまった。
死亡させてしまった場合も同じです。
保証は、1事故・保険期間中の限度額以内です。
事業活動に伴う賠償リスクを保証する年間包括契約のため現場ごとに掛けられないタイプで、企業の契約社員として仕事を請け負っている期間も支払わなければなりませんが、個人事業主として自分が依頼した下請けの人も対象になります。
三井住友海上【建設工事保険】
保険対象となる工事が、住宅・マンション・事務所ビル等の建築工事に限られた建設特化型の保険です。
損害保証の対象は工事の対象物(本工事)、それに付随する仮工事の対象物、本工事と仮工事のための工事用仮説物、工事用仮説建物、工事用仮説建物内の什器・備品、工事用材料、工事用仮設材です。
保険期間は工事開始日の午後4時から工事対象物の引渡し予定時を満期日(午後4時まで)としていますが、引渡しが遅れる場合は延長手続きをすれば保険期間の延長が可能です。
損保ジャパン【商売繁盛(工事業)】
各種事業向け損害保険「商売繁盛」シリーズの工事業特化の商品です。
工事期間中の一般的な事故の他に、作業場内に入った子供が怪我を負った・作業場内に居ることに気がつかず施錠してしまい翌日それが分かったといった事故にも対応しています。
施設の事故、引渡し直後に不具合により隣家に損害を与えた時などの他に、被害者への賠償金と訴訟になった場合の訴訟費用も保証される珍しい保険です。
個人事業主として依頼した下請けの人も対象になります。
保険期間は1年間となっていますが、損害賠償請求の時期にかかわらず、工事期間中に生じた賠償事故も保険の対象です。
あいおいニッセイ同和損保【タフビズ建設業総合保険】
ベーシックプランとワイドプランがある商品です。まずベーシックプランの保証対象からご説明していきます。
工事作業に伴う対人・対物保証が受けられるのは他社と同様ですが、業務のために従業員がマイカーを運転していて民家に損壊を与えた、作業中の事故で隣接する店舗の入口を塞ぎ建物に損壊はなかったが店舗休業による損害賠償を請求された、事故発生の際に適切な対応を行うための費用(けが人の応急手当をした等)、訴訟・和解・示談等の対応費用が保証対象となっています。
ワイドプランは上記に加え、隣接する建物に損壊を与えたために工事が遅延し施主に遅延金を支払った、業務に伴って管理する受託物・借用材物・支給物の損壊、電気配線時にお客様が業務で使用するパソコン接続を誤りパソコン内のデータが消失したため復旧費用を負担したといったものが付加されます。
記名被保険者が日本国内で行う全ての工事および業務が保証対象で、ベーシックプランでも業務であれば内覧会でお客様のコートを紛失した場合も保証対象に入ります。
保険期間は1年間で、個人事業主として請け負った期間以外も保険料を支払う必要がありますが補償範囲が広い商品です。
まとめ
今回は一人親方におすすめの物損保険をご紹介しました。
保険会社や保険商品にはそれぞれの特色がありますので、保険対象期間・補償範囲が必要あるいは念の為に対象に入れておきたい部分をカバーできる物損保険を選ぶ参考にして下さい。