足場材の一つに「単管クランプ」というものがあります。
足場において単管パイプ同士を取り付ける役割を果たすクランプでいくつか種類があります。
足場工事関連のお仕事に従事している方はよく使用する馴染みのある足場材と思いますが、種類や特徴についてあまり詳しくはご存じないという方もいらっしゃるかと思います。
単管クランプとは
クランプ(clamp)は二つのパイプをはさんで固定するための緊結金具のことです。
(※緊結とは・・・部材を留め具などで結合すること。)
単管クランプは単管を交差あるいは平行して緊結するために使用する金具で、工事現場で足場を作るために単管パイプを固定する際に使われます。
足場クランプに単管パイプを挟み、ナットをラチェットレンチなどの工具で締めることで単管パイプを固定することができます。
単管クランプには単管パイプを通す穴と、それを締め付けるナットがついています。
一般的な単管パイプには1.8mmと2.4mmの厚さのものがあり、それぞれ特徴が異なります。
外径の規格が同じでも素材で違いが生まれます。
一般的な単管パイプの特徴
1.8mm | 2.4mm | |
重さ | 軽い | 重い |
強度 | 強い | 1.8mmに比べると劣る |
値段 | 高い | 安い |
重量は厚みのある2.4mmの単管パイプの方が重いですが、強度は薄い1.8mmの単管パイプの方が強いです。
これは使用されている素材が異なるためです。
一般的には1.8mmの単管パイプの方が軽くて扱いやすい、強度が強い、2.4mmに比べるとやや高価という特徴をもちます。
外径の規格は同じなので使い勝手は変わりませんが、重量が軽く強度が強いというメリットが大きいのは1.8mmの単管パイプです。
しかし価格は2.4mmの方が安価なので用途に合わせて単管パイプの厚みを選んで使い分けるといいでしょう。
単管パイプの長さは数多くあり規格外の単管パイプも販売されています。
ホームセンターでは一般的に1m〜6mまで1メートル単位で販売していることが多いです。
単管クランプの種類と特徴
次によく使われる3種類の単管クランプを特徴と共にご紹介いたします。
直交型クランプ(直交クランプ)
直交型クランプは単クランプが連結されていて、単管を直角に交差させて固定させるために使われるクランプです。
単管パイプの交差角度を90度に固定することができます。
角度が固定されているので直角をキープできること、強度が強いことが特徴です。
強度が強く安定性があるため、基本的に単管パイプを緊結するときは直交型クランプをメインに使用します。
自在型クランプ
自在型クランプは単クランプが2つ連結されていて、単管を好きな方向に固定することができるクランプです。
2つのクランプの継ぎ目が動くようになっているので単管パイプを好きな角度につなぐことができるのが特徴です。
継ぎ目が動くので決めた角度に固定することはできないこと、許容耐力が直交クランプに比べて弱いのがデメリットです。
基本的に自在型クランプを使用するのは直交型クランプだけでは強度が足りない場合です。足場を補強するという意味で使われることが多く、自在型クランプだけでは強度が弱いので、自在型クランプだけで足場を作るというケースはまずありません。
3連クランプ
3連クランプとは直行型クランプor自在クランプの間に単クランプを挟み込んだ3連式のクランプで、直交タイプと自在タイプと2種類あります。
3本の単管パイプを緊結する際に使われます。
単管クランプの許容荷重
種類 | 引張強度 | 許容荷重 |
直交型 | 1500kg以上 | 500kg |
自在型 | 1000kg以上 | 350kg |
クランプと一緒によく使用する資材・道具
次にクランプと一緒によく使用される資材や道具をご紹介します。
ラチェットレンチ
ラチェットレンチは単管パイプとクランプで足場を組む時によく使う工具です。
ボルトやナットを締めたり緩めたりする際、特定方向にのみ回転するような構造になっているので、回転の度にいちいちヘッドを外すことなく締緩作業を行うことができる道具です。
クランプを締める時に使用する場合は17×21のサイズがオススメです。
クランプは使用しているうちに爪が減ってナットが締まらなくなったり、締め過ぎによって滑ってしまう場合がありますので注意してください。
固定ベース
固定ベースは地上に設置して足場を固定する資材です。
フックボルト
フックボルトは波板や安全鋼板という板を単管パイプに固定するための資材です。
足場で使用するクランプについてはこちらの記事でも詳しくご紹介しておりますのでぜひ参考にしてみてください。
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単管クランプの使い方・組み方
単管パイプの使い方、単管クランプの組み方についてはコメリが出しているYouTube動画がとてもわかりやすいのでぜひ参考にしてみてください。
※単管クランプの使い方は1分19秒あたりから始まります。
単管パイプの基本的な使い方【コメリHowtoなび】
まとめ
今回は足場材の一つである「単管クランプ」の種類と特徴を詳しく解説いたしました。
単管クランプは単管と単管、または単管と建枠を緊結するための金具で、直交型クランプ、自在型クランプ、3連型クランプの3種類が主に使用されます。それぞれ特徴や使われる場面が異なりますのでしっかりチェックしておきましょう。