足場丸太・丸太足場とは、建築現場などで使われる、その名の通り丸太を使用した足場のことです。
一般的な金属製の足場であれば、まず支柱を立てていき、ブラケットを取り付け、作業板(踏板)をはめ込んでいくと思います。
しかし、足場丸太・丸太足場では平べったい板などはなく、全て丸太で組み上げることが特徴。
たとえるならば単管パイプだけで組み上げた足場の上で作業を行うような不安定さ。
もちろん十分な強度はあるのですが、何故そのような不便なやり方をするのか、すこし不思議な感じがしますよね。
いったいどのような場所で使われているのでしょうか?
足場丸太・丸太足場の使い方
足場丸太・丸太足場は足場の一種ですから、枠組み足場やくさび式足場と同じように、さまざまな建築現場で使用されています。
現在は組み立てに時間がかかることや、組み立てそのものが難しいこと。
そして、クサビ式足場などの方が低コストで早く組み立てられ、耐久性も高いことから足場丸太・丸太足場が使われる機会はめっきり減ってしまいました。
ただ、今も変わらず好んで使われている業者も少なからずいて、低層住宅の建築工事や改修工事などや、映画やテレビなどの舞台セットとして組まれることもあるようです。
また、後ほどその理由についても解説していますが、神社や仏閣といった歴史的建造物の足場としても重宝されています。
足場丸太・丸太足場の用途
足場丸太・丸太足場は主に、神社・仏閣といった歴史的建造物(国宝、重要文化財など)の改修工事で使われることが多いです。
利便性や耐久性が高い金属やアルミ製の足場をあえて使わない理由は主に2つがあると言われています。
1つ目の理由が工事中の景観を損なわないため。
観光客が参拝に来ても違和感がないように、日本の歴史的な木造建築物と調和するように足場丸太・丸太足場を使います。
2つ目の理由が技術継承のため。
たとえば、京都府では文化財の修復技術を継承する目的で文化財の修復時には丸太足場を使用することを推進しています。
これらが今もなお足場丸太・丸太足場が使われ続ける主な理由ではありますが、実はそれ以外にも職人ならではのこだわりで使っている側面もあるそう。
たとえば、丸太足場は木材特有のしなりがありますから、金属では耐えられないような荷重がかかっても耐えられる場面もあります。
また、足場丸太・丸太足場は金属製足場とはまったく使い勝手がちがい、しなりなども考慮するとバランスよく組み立てるだけでも至難のわざです。
素人では足場を組むどころか、番線を使って固定することすらままならないでしょう。
つまり丸太足場を組み上げることは職人だからこそ出来る芸当であり、他の人に真似ができない。難しい。だからこそ、もっと使いたくなる。
そんな不思議な魅力が足場丸太・丸太足場にはあるのかもしれません。
まとめ
今回は足場丸太・丸太足場の使い方や用途についてご紹介いたしました。
いかがでしたでしょうか。
足場丸太・丸太足場は主に神社・仏閣のような日本の歴史的建造物の改修工事で使われている足場のことです。
組み上げるのには時間も手間もかかりますが、金属製の足場とはちがって日本の景観ともマッチします。
組み上げることそのものが難しく現在は使用される機会が減ってしまっていますが、今もなお受け継がれている希少な技術とも言えるでしょう。
もし見かける機会があれば、ぜひじっくりと眺めて先人たちの努力の結晶を心の中で味わってみてくださいね。