建設足場の職人は、一人前になったら会社の雇われよりも独立して一人親方になったほうが稼げると言われています。
雇われ職人はいくら技能があっても役職が上がらなければ単価の上限は頭打ちなのに比べ、一人親方は元請けとの直接交渉で高単価の仕事を請け負えるため雇われ職人に比べて日当が良いとされているのですが、実際にはどのくらい差があるのでしょうか。
一人親方の単価は雇われと比べてどのくらい高いの?
人を雇用するのが年間99日以内の一人だけで仕事をしている一人親方と、常時4人以内の人を雇用している個人事業主としての一人親方では請け負える仕事の規模が違いますのでまず年収の違いが生まれます。
また、現場ごとの単価は日当18,000円~23,000円が相場額で、雇われ親方と一人親方の間に最大7,000円の差を生みます。
雇われ職人の単価は役職が上がらない限り会社が規定した額以上にはならず、会社の役職制度は役職ごとに人数制限があるため昇格できる人の方が少なく、定年を迎えるまでずっと平均単価は15,000円のまま。
これが一人親方の単価が雇われと比べて最大7,000円の差を生むのです。
日額7000円ですから月に22日仕事をした場合、一人親方が月収で154,000円も多く稼いでいることになります。
一人親方と雇われ職人では収入にこんなにも大きな差が付くのです。
一人親方の単価と雇われの単価のリアルな数字
では、一人親方の単価が雇われ職人の単価と比べてどのくらい高いのか、リアルな数字を比較してみましょう。
雇われ職人の単価は社会保険料が天引きされていますが、一人親方は国民年金、国民健康保険、労災特別保険の料金を個人で支払っていますので、年商ではなく年収からその分を差し引いた金額が実質単価になります。
計算式
実質平均月収=平均月収-(国民年金保険料+国民健康保険料を月割にした数字+労災保険料月額)
実質平均単価=実質平均月収÷22日(1ヶ月30日-土日合計8日)
これに数字を当てはめます。
386,186円=416,666円-(16,540円+2,993円+10,950円)
17,553円=38,618円÷22日
2,553円=一人親方平均単価17,553円-雇われ平均単価15,000円
一人親方の平均単価は雇われ職人の平均単価より2,553円多いという結果が出ました。
これがリアルな数字です。
ちなみに、大手ゼネコンの雇われ職人の年収は4,800,000円、中堅ゼネコンで3,970,000円、小規模企業で3,600,000円が平均であり、一人親方の年収は最も高い東京で5,940,000円、最も低い県で3,390,000円が平均ですから、中には2,553円以上の差を感じている人もいるでしょう。
まとめ
今回は一人親方の単価は雇われと比べてどのくらい高いのか、リアルな数字をご紹介しました。
一人親方は社会保険を天引きされている会社所属の雇われ職人の単価と違い、国民保険や労災特別保険を自費で支払っているため相場単価より実質の平均単価は低くなりますが、それでも一人親方は雇われ職人よりも2,553円高く稼いでいました。
雇われ職人のままでいるか、一人親方に転身するかを悩んでいる人はぜひ参考にしてみて下さい。