一人親方は多くのことを自分ひとりでこなさなければなりません。
それは仕事に限った話ではなく、自分の将来についてもです。
将来について考えなければならないのは会社員も同じですが、会社員ならば退職金制度が用意されていたり、厚生年金に加入することができたりと、ある程度は会社側が面倒を見てくれます。
しかし、一人親方に関して言えば、自分のことはすべて自分でやる必要があります。
もしかすると、中には年金制度についての知識が無く「何のことかさっぱり」という方もいらっしゃるかもしれません。
一人親方は年金を貰えるの?一人親方の年金制度について解説
一人親方は年金を貰うことが出来るのでしょうか?
結論から申し上げると、一人親方も年金は貰えます。
なぜなら国民年金に加入しているからです。
たまに「一人親方は年金がもらえない!」と不安に思っている方がいらっしゃいますが、その心配は無用です。
保険金を毎月支払っていれば少なくとも現状では、一人親方も年金を受け取ることができます。
ただし、年金が受け取れるとはいえ、十分な額が貰えるかといえばそうとも言い切れません。
一般的に会社員であれば厚生年金に加入しますが、一人親方は国民年金しか加入できないからです。
さて、ここで「厚生年金」と「国民年金」というキーワードが出てきましたが、ちがいがよく分からないという方もいると思います。
これら2つの年金は似て非なるものですので、この機会にしっかりと理解していきましょう!
特に国民年金は一人親方にとって切っても切り離せない存在なので、重点的に確認してください。
年金は大きく分けて2つ「厚生年金」と「国民年金」
国民年金は、厚生年金や共済組合に加入している人を除く、すべての人が加入しなければならない年金制度のことを言います。
一方で厚生年金とは、会社員や公務員など、組織に属す従業員が加入することになる年金制度のことです。
一人親方は会社員ではないので「国民年金」に加入することになります。
厚生年金には加入できませんので注意しましょう。
続けて年金制度についてもう少し掘り下げていきます。
年金制度は2階構造
年金制度はよく2階建てと言われます。
1階部分が全員加入の「国民年金」で、2階部分は会社員や公務員が加入する「厚生年金」です。
厚生年金に加入すると自動的に国民年金にも加入していることになるので、会社員の人は厚生年金と国民年金、2つの年金を受け取れます。
しかし、一人親方は国民年金しか加入できないので、1階部分にあたる国民年金の分しか年金が支給されません。
そのため、もし受け取る年金の額を増やしたい場合は、別の方法で用意する必要があります。
国民年金だけじゃない!年金の代わりになる保険への加入も検討しよう
一人親方は厚生年金に加入することはできませんが、その代わりになる保険も存在します。一人親方が加入することが可能な厚生年金に代わる保険には、以下の3つがあります。
- 国民年金基金
- 個人型確定拠出年金
- 民間個人年金
それぞれ説明していきます。
国民年金基金
厚生年金を受け取れない一人親方やフリーランスなどの個人事業主が、国民年金のみでは賄いきれない部分を補うためにできた制度です。
国民年金に上乗せして加入することで、老後に受け取れる老齢基礎年金を増やすことができます。
特徴としては、掛け金が一定であることや老後に受け取れる金額が加入時にわかることなどが挙げられます。資金に余裕がある方は増口して受け取れる年金額を増やすことも可能ですよ。
個人型確定拠出年金
iDeCoとも呼ばれる個人型確定拠出年金は、掛け金を毎月積み立てていく年金です。
掛け金は小刻みに設定することが可能で、最低金額は月々5000円。
それ以上を積み立てる場合は、1000円単位で掛け金を自由に調整することができます。
国民年金との違いとしては、個人型確定拠出年金は運用型の年金であることです。
そのため、掛け金を支払った分だけ年金が確実に受け取れる保証はありませんが、逆に運用による利益が出て受け取り額が増える可能性もあります。
そういう意味では、少し特殊な年金といえるかもしれません。
民間個人年金
民間個人年金は、民間の保険会社が提供している個人向けの年金です。
内容は保険会社によって様々で、生命保険の形を取っているので、途中で亡くなってしまったとしても保険金が入るのが特徴です。
さらに生命保険控除が受けられるので、税制上有利なのもポイント。
国民年金基金や個人型確定拠出年金に加えて、さらに老後に備えたい方は民間個人年金の利用も検討してみましょう。
詳細は各保険会社にお問い合わせください。
まとめ
今回は一人親方の年金制度についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
一人親方は「国民年金」に加入することで、年金を受け取ることが出来ます。
そして、年金の受け取り額をさらに増やしたい場合に活用できる年金制度は大きく分けて3つあるので、そちらも必要に応じて加入しましょう。
「国民年金基金」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」で国民年金では足りない部分を補いつつ、更に備えたい方は「民間個人年金」の利用も検討してみてくださいね。