工事をする際、安全のために足場を組むことがあります。
足場は現場の作業員の方の安全を守るためにもとても重要なもの。
現場の安全を確保するためにも、使用される足場にはどのような種類、特徴があるのか把握しておきましょう。
ビケ足場とは?用途やメリット・デメリットなどまとめ
現在よく使われている組立足場は「くさび緊結式足場」「枠組足場」「単管足場」の3種類です。
ビケ足場は株式会社ダイサンが1980年に開発したくさび緊結式足場の名称(商品名)です。
日本で初めて足場部材の緊結部分にくさび方式を採用し、建設業界で注目を浴びて広く普及していったため、くさび緊結式の足場のことを通称「ビケ足場」と呼びます。
くさび緊結式足場とは一定間隔に緊結部を備えた鋼管を支柱として手摺や筋交等を支柱の緊結部にくさびで緊結して組み立てる足場のことです。
これまで住宅用の足場はほとんどが丸太などの木材で組まれており、安全性・作業性・耐久性など多方面での課題を抱えていました。
くさび緊結方式の「ビケ足場」は、シンプルな構造ではありますが安全性・作業性・耐久性にすぐれていて、組み立てや解体もハンマー1本で簡単に行うことができます。
そのため足場作業の安全対策と施工能力向上という大きな命題を一挙に解決した足場として注目を集めました。
ビケ足場は以前は木造家屋など低層住宅用の足場として使用されていましたが、近年では中層建築工事や高層建築物の外壁の塗り替えなどの短期間の補修工事に使用されるケースが増えてきています。
「ビケ足場」は「ビティ足場」と同じと思われていることがありますが、ビティ足場は枠組み足場の一種であり、主に中高層建築の施工に使用されます。
名前が似ていますがビケ足場とビティ足場は全くの別物なので要注意。
ビケ足場のメリット
まずはビケ足場のメリットをご紹介します。
1.ハンマー1本で組み立て&解体が可能
ビケ足場は従来の足場と異なり、ハンマーひとつで設置できるのが大きなメリットです。
緊結部のついた支柱にブラケットをハンマーで打ち込んで組み合わせていき、手摺や踏板などの部材を組み合わせていきます。
解体もハンマーだけで可能です。
組み合わせ次第で建物に合った足場を作ることが可能なため、狭い場所、複雑な形状の場所でも足場を組みやすいというメリットもあります。
2.組立が簡単なため作業時間を短縮できる
ビケ足場はハンマーだけで簡単に設置できることから、他の足場に比べて組み立てや解体作業に時間がかかりません。
そのため足場の設置時間など作業時間を短縮することができ、全体の工期も短くできます。
3.コストを抑えられる
ビケ足場はコンパクトに結束することができるため、運搬費などの輸送コストを抑えることができます。
また、重量が軽いので他の足場に比べて少ない人数で運ぶことができ、輸送コストに加えて人件費を抑えることもできます。
ビケ足場のデメリット
続いてビケ足場のデメリットをご紹介いたします。
1.高層の建物の施工には適さない
ビケ足場のデメリットとしてまず高層の建物の施工に適さないという点が挙げられます。
ビケ足場は低層住宅や低中層建築の施工に適した足場で、高層の建物の施工には重量があり強度や安定性のある枠組み足場が主に使用されます。
2.組み立て時の作業音が大きい
ビケ足場はハンマー1本で組み立て&解体ができますが、ハンマーで打ちつけて部材を組み合わせていくため、ハンマーを使用する金属音が周囲に響き、作業音が大きいとよく言われます。
設置や解体作業の際に騒音のクレームが入ることもあります。
実際に現場で使用する際は可能な限り周囲の迷惑にならないよう、「音」に留意する必要があります。
ビケ足場の価格
ビケ足場の価格は販売元の業者などによって差はありますが、平均的に1㎡あたり800円~1,000円前後が目安です。
くさび緊結式足場を構成する基本部材は、ジャッキ・支柱・手摺・踏板・筋交・ブラケット・鋼製階段・先行手摺など。
現場の大きさや作業環境によって必要な部材の量が変わり、それによってかかる費用も変わってきます。
まとめ
今回は「ビケ足場」とは何か詳しく解説し、用途や価格などについてもご紹介いたしました。ビケ足場は現在よく使われる組立足場の一つである「くさび緊結式足場」のことで、株式会社ダイサンが1980年に開発した足場の名称です。ビケ足場の単価は業者によって差はありますが、平均的に1㎡あたり800~1,000円程度が目安です。そのほかメリット・デメリットについても詳しくまとめてありますのでぜひ参考にしてみてくださいね。