足場は現場で作業する作業員の安全を守るためにとても重要な役割を果たします。
足場の種類や用途、特性を理解することは現場での安全性をより高めることにつながります。
「ビティ足場」(ビデ足場)とは?用途、特徴など
現在よく使われている組立足場は「くさび緊結式足場」「枠組足場」「単管足場」の3種類です。
「ビティ足場」は枠組足場の一つです。
(「ビデ足場」と呼ばれることもありますが、「ビティ足場」が主な呼ばれ方です。)
枠組足場は鋼管を門型に溶接した建枠を中心にジャッキベース・筋交・鋼製布板などの部材で構成される足場です。
建枠に上記の基本部材を組み合わせ、積み上げて構成する仮設足場で、主に建設現場のビルの外壁面に沿って設置されます。
昭和27年にアメリカのビティスキャホード社から日本に輸入されたという歴史があるため、建枠のことを「ビティ」、枠組足場のことを「ビティ足場」と呼びます。
元々は考案者のデビッド・イー・ビティ氏の名前から取ったものと言われています。
日本では日鉄建材株式会社(NIPPON STEEL)が初めて枠組足場を開発しました。
日本における規格にはインチサイズとメーターサイズの2種類が存在します。
大手会社のほとんどはインチサイズを採用していますが、比較的重いため物流コストを考えてメーターサイズを採用している会社もあります。
ビティ足場の基本構成部材は建枠・ジャッキ・筋交・ジョイント/ピン・アームロック・布板・壁つなぎ・手摺です。
前述したとおり日本における規格が2種類存在するため、部材には互換性がないものも一部ありますので要注意です。
「ビティ足場」は「ビケ足場」と同じものだと思われていることがありますが、ビティ足場は枠組足場の一種であり、主に中高層建築の施工に使用され、「ビケ足場」はくさび緊結式足場の一種で、主に低層住宅や低中層建築の施工に使用されます。
名前は似ていますが「ビティ足場」と「ビケ足場」は全くの別物なので要注意。
平成21年6月1日施行の「労働安全衛生規則」の改正により
- 交さ筋かい+幅木(高さ15cm 以上)
- 交さ筋かい+下さん(高さ15~40cmの位置)+メッシュシート
- 交さ筋かい+下さん・幅木と同等以上の措置(高さ15cm 以上)
- 手すりわく+幅木(高さ10cm 以上)
- 手すりわく+メッシュシート
- 手すりわく+幅木と同等以上の措置(高さ10cm 以上)
上記等の墜落・落下防止の措置が必要となりましたので、安全のためあわせてチェックしておきましょう。
枠組足場に用いる基本部材は厚生労働大臣の定める規格(昭和56年12月26日付労働省告示103号及び104号)にて定められています。
その他の部材については一般社団法人仮設工業会が認定制度・承認制度・単品承認制度を設けています。
建枠の許容荷重は高さ1800mm以下の標準枠の場合は42.6kN(4350kg)です。
ビティ足場(枠組足場)の特徴
- 足場の強度が高い
- 高層建築工事に使用される
- インチサイズ・メーターサイズの2種類がある
- ハンマーによる打ち込みがないため組み立て時の騒音が比較的少ない
「ビティ足場」(ビデ足場)の価格
ビティ足場の価格は1平方メートルあたり1,000円から1,500円程度が相場です。
なるべく正確に足場の価格を知りたい場合は
足場架面積 = (建物の外周(m) + 8m) × 家の高さ(m)
足場にかかる費用 = 足場架面積 × 平米単価 (1000~1500円)
上記の計算式を用いて必要な足場の面積から算出しましょう。
足場組み立てにかかる費用の計算についてはこちらの記事もぜひご一読ください。
まとめ
今回は「ビティ足場」(ビデ足場)とは何か詳しく解説し、用途や価格などについてもご紹介いたしました。「ビティ足場」は「枠組足場」の一つです。枠組足場は鋼管を門型に溶接した建枠を中心にジャッキベース・筋交・鋼製布板などの部材で構成される足場です。昭和27年にアメリカのビティスキャホード社から日本に輸入されたという歴史があるため、枠組足場のことを「ビティ足場」と呼ぶようになりました。ビティ足場の価格は1平方メートルあたり、1,000円から1,500円程度が相場です。ぜひ参考にしてみてくださいね。