ビルやマンション、病院、ホテル、学校などの建物のほか、高速道路、橋などの建造物があります。
これらの建造物が完成したときには足場の姿は見えません。建設現場での事務所や足場、囲いなど建設工事中に使用する仮設は、工事が終われば必ず片付けられますが、足場がなければ工事はできません。
こうした建設工事中に使われる仮の囲いなどのことを足場といいます。
足場にはどのような種類、特徴があるのでしょうか?
足場って何?
足場とは、工事現場などで作業する際に造る仮設の作業床や通路のことを指します。
足場には、
- 枠組足場
- 単管足場
- くさび緊結式足場
- 張出し足場
- 吊り足場
- 吊り棚足場
- 丸太足場
など種類がいくつもあります。
足場の組み立てにおいては、建設業の死亡災害の約4割を占める墜落・転落事故を防止する目的で手すり先行工法という組み立て法を厚生労働省が推奨しています。
また、足場の組立は、日本国内では足場の組立解体作業には特別教育を受けた者しか従事することができないとされています。
さらに、吊り足場、張出し足場または高さ5m以上の足場の組立解体作業には、技能講習を終了した、足場の組立等作業主任者を選任しなければなりません。
建設業における死亡労働災害の原因の一位は転落ですが、この転落は足場からのものが多いです。
建築物等の作業に用いる仮設施設のため、固定には限界があるため、強風などで、足場が倒壊する事故も発生することがあります。
代表的な足場は?
続いて、代表的な足場の種類を詳しくご紹介します。
単管足場
直径48.6mmの単管と呼ばれる鉄パイプを組み合わせて建てる足場です。
パイプ同士はクランプ(金具)をかみ合わせ、ボルトを締めて接合します。
主に小規模な工事、作業現場や狭いビル間での足場に用いられることが多いです。
単管足場の最大の特徴は、足場の組立が比較的自由に行えるため、狭い場所でも組立が可能なことです。
一方で、強度や安全面については他の足場と比較すると弱い部分もあり、高層の工事には適さないという特徴もあります。
また、単管足場はDIYなどにも使用することができ、ホームセンターで購入も可能です。
くさび足場
当日分の材料のみを積むことができるので、材料置き場を確保する必要がありません。
侵入経路、車両重量規制等融通がききます。
部材の種類が年々充実しているので、複雑な形状の建物や敷地、隣地境界線などで応用がかなりききます。
組み立てが簡単なので少しの手直しが融通がききます。
こちらの足場は組み立てに金属製のハンマーを用いるので、騒音クレームが入りやすいです。
高層部でも基本的に部材は手渡しなので、職人達が安全対策で声かけをします。
ですが、それがうるさいとよくクレームが入ります。
枠組み足場
枠組み足場はくさび足場で対応できない高層物にも対応できます。
枠組み足場を取り扱う作業員は、大型(ゼネコン等)の現場に携わった経験のある職人が多い傾向にあります。
作業床の幅が広く、組み立てが基本的にボルト・番線なので作業時の騒音が少ないという特徴があります。
また、クレーンを用いて大組み・大払しができるので高層部での安全性が高いです。
枠組み足場の場合、部材搬入の大型ユニックが入っていけるかの確認や、部材の置き場を確保する必要があります。
工期が長く、また部材の種類が限られるため、融通があまりきかないのも特徴の一つです。
まとめ
建造物が完成したときには姿は見えませんが、建設現場での囲いなど、建設工事中に使用するものを足場といいます。建設事故の第一位は足場からの転落事故なので、足場は建設において大切な部分です。
足場には単管足場、くさび足場、枠組み足場などがあります。それぞれメリットとデメリットがあり扱う職人さんも様々であることが特徴です。目的・用途にあった足場を使うことが重要です。