足場屋の仕事をしていると、どうしても直面してしまうのが騒音問題。
現場で作業しているスタッフにとっては特別意識することは少ないかもしれませんが、普段は静かな場所で暮らしている住民にとっては不快に感じるものです。
工事の進行上、大きな音が出てしまうのは致し方ありませんが、地域の住人たちと上手に付き合っていくためには、騒音対策はもはや必須と言えます。
足場屋が「うるさい」と言われてしまう理由
マンションや戸建ての塗装工事や修繕工事をする時などに、塗装職人たちが作業をしやすいように足場を組むのが我々足場屋の仕事です。
足場を組み立てたり、解体する作業の中でどうしてもハンマーでカンカンと金属を打ち込む必要があります。
作業するスタッフたちは、いつものことなので大きな音にも慣れていますが、その地域で暮らしている住民たちは普段静かな場所で暮らしています。
普段耳にするのは、車が通る音や子供たちが元気にはしゃぎまわる声など、あまり気にならない音がほとんど。
静かだった日々が一転してやかましくなれば、急激な環境の変化に強烈にストレスを感じ「うるさい!」と不快に思うのは自然なことです。
騒音があまりに酷ければクレームに発展しますし、クレームへの対応を迫られるのはゼネコンやマンションの管理人ですから、依頼主にも迷惑が掛かってしまうのです。
仕事を依頼してくれる取引先のためにも、自分たちのためにも、騒音対策は必須と言えるでしょう。
足場工事の音がうるさいと感じるタイミング
足場屋の仕事において、うるさいと感じる可能性がある作業には以下のような作業があります。
- 金属をハンマーで打ち付ける音
- 足場材を地面に置く音
- 作業中の話し声
- その他の作業で発生する音
足場屋に対する苦情の多くは「金属音」に関わる騒音によるものです。
金属をハンマーで打ち込んだときになるカーンッという音や、足場材を雑に置いた時のガシャンといった金属音は意外にも遠くまで響くからでしょうか。
そのため、足場組立・解体および足場材の運搬時などの作業をする時は、特に注意が必要そうです。
足場工事の騒音を抑えるために出来ること4つ
大きな音が出るタイミングがたくさんあることが分かりましたね。
ここからは具体的な対策をご紹介していきます。
無闇に金属を打たず、少ない回数で適切に打つ
足場工事で最も騒音になりやすい作業です。
力を入れないとしっかり打ち込めませんし、足場がはずれないよう念入りに打ち込むのは大事なことです。
しかし、力任せに打つと何回も叩くことになってうるさくなります。
なるべく少ない回数で済むよう、適当に打ち付けないことを作業員に徹底させましょう。
足場材など物を置くときは静かに置くようにさせる
足場材は静かに、丁寧に置くように指導しましょう。
騒音を抑えると同時に、足場材を大切にする事にも繋がります。
足場材は結構な重さがあるため、ゆっくり置かないとガシャーンと言う大きな音が発生してしまいます。
現場で働くスタッフたちは大きな音にも慣れているので、問題に感じないかもしれませんが、普段は静かな場所で暮らしている人たちにとってはとても不快に感じてしまいます。
そのことを忘れないでください。
防音シートを張る
騒音問題を物理的に解決する方法として有効なのが、防音シートを張ることです。
残念ながら、防音シートを張ったとしても全く音を出さないように作業するのは難しいですが、多少なりとも騒音を和らげることが出来ます。
それに加えて「住民に配慮して騒音対策を施している」ということをアピールできるのも良い点です。
出来る限りの対策を施しているということで、多少の騒音は我慢してもらえるかもしれません。
作業中の不要な会話を控える
スタッフ同士の声の掛け合いは安全を確保する意味でも重要です。
しかし、大きな声でのおしゃべりや笑い声が不快に思われる場合もあるようです。
作業中のコミュニケーションにも気をつけたいですね。
クレームを減らすための「ある行動」
騒音対策で最も重要なことは、「住民の協力を得る」ことです
こんなことを言うと元も子もありませんが、いくら対策をしたとしても、音が出てしまうこと自体は避けられません。
自分たちに出来る限りの対策をした上で、工事の日程、及びその期間はうるさい音がする旨を伝え、最終的には住民の方々に協力してもらうしかないのです。
たしかに、工事をするたびに挨拶回りをするのは大変かもしれません。
しかしながら、事前に「ひと声」が有るか、無いかで全然ちがいます。
そこまでする業者もほとんどいないので、挨拶するだけでも差別化に繋がります。
簡単な挨拶だけでもしておくべきでしょう。
まとめ
今回はうるさいと感じやすい作業や、具体的な「騒音対策」についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
足場屋として長く続けていくためにも、騒音対策は必須です。
ちょっとした心掛け一つでも騒音は抑えられるので、大きな音が発生する作業をする時には細心の注意を払いましょう。
また、騒音対策で最も重要なことは「住民の協力を得ること」です。
事前の挨拶回りは欠かさないようにしましょう。