2023年10月1日より、労働安全衛生規則が一部改正されました。
足場利用に関する内容も改正されていますので、足場関連業者の皆様も確認が必要です。
【2023年最新】足場利用に関する労働安全衛生規則の改正内容
2023年10月1日から労働安全衛生規則の改正により足場利用に関するルールが変更され、順次施行されます。
これにより、建築現場や工事現場における安全性がより一層向上することが期待されています。
● 改正労働安全衛生規則 令和5年10月1日から順次施行 ●
厚生労働省では足場に関する法定の墜落防止措置を定める労働安全衛生規則を
改正し、足場からの墜落防止措置を強化しました。令和 5 年 10 月 1 日(一部規
定は令和 6 年 4 月 1 日)から順次施行します。
改正内容をご紹介いたします。
一側足場の使用範囲が明確化される
*令和6年4月1日施行
令和6年4月1日以降、幅が1メートル以上の箇所(※)において足場を使用するときは、原則として本足場を使用する必要があります。
なお、幅が1メートル未満の場合であっても、可能な限り本足場を使用してください。
つり足場の場合や、障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なときは本足場を使用しなくても差し支えありません。
※足場を設ける床面において、当該足場を使用する建築物等の外面を起点としたはり間方向の水平距離が1メートル以上ある箇所のこと。
◆「幅が1メートル以上の箇所」に関する留意点
足場設置のため確保した幅が1メートル以上の箇所について、その一部が公道にかかる場合、使用許可が得られない場合、その他当該箇所が注文者、施工業者、工事関係者の管理の範囲外である場合等については含まれません。
なお、足場の使用に当たっては、可能な限り「幅が1メートル以上の箇所」を確保してください。
◆「障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なとき」とは
・足場を設ける箇所の全部又は一部に撤去が困難な障害物があり、建地を2本設置することが困難なとき
・建築物の外面の形状が複雑で、1メートル未満ごとに隅角部を設ける必要があるとき
・屋根等に足場を設けるとき等、足場を設ける床面に著しい傾斜、凹凸等があり、建地を2本設置することが困難なとき
・本足場を使用することにより建築物等と足場の作業床との間隔(※)が広くなり、墜落・転落災害のリスクが高まるとき
※足場の使用に当たっては建築物等と足場の作業床との間隔が30センチメートル以内とすることが望ましい。
<留意点>
足場を設ける箇所の一部に撤去が困難な障害物があるとき等において、建地の一部を1本とする場合は、足場の動揺や倒壊を防止するのに十分な強度を有する構造としなければなりません。
足場の点検時には点検者の指名が必要になる
*令和5年10月1日施行
事業者又は注文者が足場の点検を行う際は、点検者を指名しなければなりません。
◆指名の方法
点検者の指名の方法は「書面で伝達」「朝礼等に際し口頭で伝達」「メール、電話等で伝達あらかじめ点検者の指名順を決めてその順番を伝達」等、点検者自らが点検者であるという認識を持ち、責任を持って点検ができる方法で行ってください。
◆点検者について
事業者又は注文者が行う足場の組立て、一部解体又は一部変更の後の点検は、
・足場の組立て等作業主任者であって、足場の組立て等作業主任者能力向上教育を受講している者
・労働安全コンサルタント(試験の区分が土木又は建築である者)等労働安全衛生法第88条に基づく足場の設置等の届出に係る「計画作成参画者」に必要な資格を有する者
・全国仮設安全事業協同組合が行う「仮設安全監理者資格取得講習」を受けた者
・建設業労働災害防止協会が行う「施工管理者等のための足場点検実務研修」を受けた者
等、十分な知識・経験を有する者を指名することが適切であり「足場等の種類別点検チェックリスト」を活用することが望ましい。
足場の組立て等の後の点検者の氏名の記録・保存が必要になる
*令和5年10月1日施行
事業者又は注文者が行う足場の組立て、一部解体又は一部変更の後の点検後に2で指名した点検者の氏名を記録及び保存しなければなりません。
<留意点>
足場の点検後の記録及び保存に当たっては「足場等の種類別点検チェックリスト」を活用することが望ましい。
以上が2023年10月1日より順次施行される、足場利用に関する労働安全衛生規則の改正内容です。
関係者は改正規則を確認し、適切な対応を行うことが重要です。
労働災害の防止と労働環境の安全性向上のために、改正規則の遵守に努めましょう。
まとめ
本記事では、2023年に改正された労働安全衛生規則の改正内容について解説いたしました。
ルールを正しく守り、現場の安全性を一層向上できるよう、足場利用に携わる各人が意識を高く持って取り組むようにしていきましょう。