建設業界は2019年現在、業績が上向き傾向にあります。
オリンピック効果なのか、お仕事が増えるということはありがたいことですね。
しかし忙しくなると遅れてしまいがちなのが「期限」というもの。
足場工事においても足場設置届を申請する際に守らなければいけない「30日」という提出期限が存在します。
これを守らなければいくら工事の準備を進めていても着工することができません。
工事が遅れた場合はどうしたらいい?
前述した通り工期内の完了が望ましいですが、計画通りを心がけていても、現場は日々状況が様変わりしていて、遅延が起きることはしょっちゅうです。
例えば、夏は台風にゲリラ豪雨、竜巻など予想だにしない天災が発生し、冬は積雪や寒波で作業に取り組めない状況がしばしば起こります。
作業者も人間なので、インフルエンザなどで長期作業に従事できないとなった場合にも遅延は起こります。
そもそも建設工事は、施主がいて元請業者がいて、その間に下請業者や孫請業者が入りますよね。
全者による最初の取り決めで工事計画が立てられますが、工事完了日が予定通りにいくとは限りません。施主からの仕様変更の注文1つでも工事期間は前後してしまいます。
労働基準監督署も一つ一つの工事案件の工期を完全に管理することは困難とし、工事遅延においては工事業者へ報告義務を課していません。
要するに、工事が遅延した段階では何か報告書を出す必要はないということです。
では冒頭で述べた「遅延理由書」とはいつ必要なものなのでしょうか?
遅延理由書はどんな時に必要?記入のポイントは?
足場工事における遅延理由書は、足場工事が始まる30日前までに機械設置届を提出できない場合に必要です。
1、2日程度の提出遅延は目をつむってくれるところが多いようですが、基本的には提出期限までの提出が必須です。
止むを得ず期限までに足場設置届を提出できない場合は遅延理由書を提出しましょう。
遅延理由書の書き方のポイントについて簡潔に説明します。
まずは肝心の「遅れた理由」をしっかり書くことがポイントになります。
定められた期限を過ぎてしまうと、どうしても言い訳がましくなってしまったり、保身的な内容で記入してしまいがちですが、ありのままの遅延の経緯を簡潔に明記しましょう。
届出の日付はひとまず空欄にしておくと良いです。
労働基準監督署の担当者が融通の利く方だった場合、日付を変えて受理してくれることもあるそうです。
そしてその遅延理由書を持って労働基準監督署の担当者に素直に提出期限に間に合わないことを謝り、この後の提出についてアドバイスを受けることをオススメします。
しかし遅れたことは事実なので、工事に関わる全ての人の代表としてしっかりと謝罪の意を伝え、受付担当者のアドバイスを真摯に仰ぎましょう。
一番やってはいけないことは「提出しないこと」です。
提出せずに事故などが発生すれば、業務停止命令などの法的措置を取られることもあります。
「遅れた」と「出さなかった」では全く違いますので、遅延することがわかった時点で早目に相談しに行きましょう。
まとめ
工事着工の30日前には足場設置届を労働基準監督署に提出しましょう。
工事が遅れること自体には遅延理由書の提出は必要ありません。
もし足場設置届の提出が遅れてしまった場合には、遅延理由書が必要です。ありのまま正直に遅延理由を明記して提出しましょう。施主様のことを第一に考えて、できるだけ余裕を持って提出するように心がけましょう。