足場材の中にはアンチと呼ばれる部材があります。
足場の作業床には足場板、踏板、布板など実にさまざまな呼び名がありますが、それらの違いを説明できるでしょうか?
説明できるという方はお見事ですが、「イマイチ違いがわからない」という方もいらっしゃると思います。
足場材「アンチ」とは?
アンチとは、足場の作業床として使われる部材のことで、板の両端に掴み金物が接合されているのが特徴です。
両端に引っ掛けフックのついた足場板というイメージですね。
アンチは布板、床付布板などと呼ばれることもあります。
アンチという名前の由来は「アンチスリップメタル」から来ていると言われています。
アンチスリップメタルは直訳すれば「すべらない鋼板」ですが、その名の通り、表面には凹凸が付いていて滑りにくくなっています。
また、アンチの鋼板には通気穴が複数空けられていますし、アンチ自体も頑強な作りで重量もあるので、強風に煽られることもある高所作業の作業床として活躍しています。
長さや横幅によって種類が分かれており、これらを組み合わせることで様々な足場に対応可能となっています。
足場板と踏板とアンチの違い
足場の作業床として使われる部材には「足場板・踏板・アンチ(布板)」の3種類があります。
いずれも同じ役割を持ちながらも呼び方が異なるので、ごちゃごちゃになってしまっている方も多いのではないでしょうか。
人それぞれ解釈が違うため一概には言えませんが、一般的には以下のように解釈されている場合が多いようです。
- アンチ(布板):両端にフックがあって床部分がメッシュではないもの。枠組足場に使用
- 踏板:両端にフックがあって床部分がメッシュ状のもの。一側足場に使用
- 足場板:フックがないもの
ただし、注意点が2つあります。
1つ目の注意点は、メーカーによって名称や表記が統一されていないことです。
たとえば、アンチを踏板として表記していたり、その逆もあり得ます。
アンチだと思って発注したものが実際は踏板だった、という事態が起こらないようにするためにも、名前だけで判断するのは避けましょう。
必ずカタログ等に掲載されている画像を実際に自分の目で見て確認し、その上で発注するようにしてください。
2つ目の注意点は、アンチの寸法にはインチ規格とメートル規格の2つの規格があり、それぞれ互換性がないことです。
もともと枠組み足場が欧米から入ってきた技術であるため、欧米で主流となっているインチ規格のものが一般的に使われていますが、数字のきりがよいメートル規格の資材を使う場合もあります。
インチ規格とメートル規格は併用する事が出来ませんので十分に注意しましょう。
足場材のアンチの値段
アンチの市場価格は4,000〜13,000円前後です。
また、稀にオークションサイト等でアンチがまとめ売りされていることもあり、タイミングが合えば1枚あたり1,200円の格安で状態の良い品物を入手することも可能です。
中古品の使用に抵抗がない方は、小まめに確認しておくと掘り出し物が見つかるかもしれませんね。
ただし、インチサイズとメーターサイズがありますので、ご購入前に必ず注意深く確認しておきましょう。
まとめ
今回は足場材「アンチ」の概要や足場板との違い、値段などについて詳しく解説しました。
いかがでしたでしょうか。
アンチとは、板の両端に掴み金物が接合されている、足場の作業床として使われる部材のことです。
アンチの1枚あたりの価格は新品であれば4,000〜13,000円前後、中古品であれば1,200円程度です。
アンチは布板、床付布板と呼ばれることもあるので検索しても上手く表示されない場合は言葉を置き換えて再び検索してみてください。