会社に雇用されている職人は雨天などで作業できない日があっても毎月の収入に変動はありませんが、一人親方は作業ができなければ収入が減ってしまいますよね。
そんな状況でも所得税は前年の所得に対して課税されるため、翌年度に支払う税額が現在の収入を圧迫するということがあります。
一人親方の税金対策を詳しく解説!
納税額を最小限に抑えるための対策は諸経費を増やす、所得控除を増やす、税額控除を増やす、この3つしかありません。
間違えやすい点ですが、税金は収入ではなく収入から経費を除いた所得金額に対して課税されるものです。
一人親方が支払うべき税金としては所得税、消費税、住民税、事業税の4種で、消費税以外の3つの税金に所得金額が関係してきます。
一人親方が税金対策をする際にまず最初に手を付けるべきは経費をなるべく多くすることです。
経費扱いにできそうなものをくまなく探して積み重ねていくことが大事になります。
公的に税金対策ができるものとして税額控除も挙げられます。
確定申告は計算が楽な白色申告では特別控除分が100,000円ですが、手が掛かるようでも青色申告にして控除額を550,000円(インターネット申告のe-Taxを利用した場合はこの上に更に100,000円の控除が上積みされる)まで引き上げられるので青色申告にすることも検討してみてください。
また、ふるさと納税も税金対策になります。
所得税からの控除=ふるさと納税額-自己負担分2,000円×所得税の税率
上記の計算式で算出されます。
残りの金額はふるさと納税を行った翌年度の住民税控除の対象ですので実質2,000円以上の部分は全額控除になります。
経費を増やして節税する方法
よく知られているのが自宅を事務所にしている場合の家賃、光熱費、水道代を仕事に使っている面積や時間などで配分して経費にする方法ですが、家を借りる時の仲介手数料、礼金(敷金は含まれません)や、持ち家をローンで購入している場合の返済中の元本以外の部分を経費として計上することもできます。
また、雑費として認められる中に仕事に必要な作業着等の衣類や靴なども含まれ、銀行振込や代引の手数料、ゴミ処理代、クリーニング代も仕事に関わるものなら雑費として計上が可能です。
経費として認められそうな支払いをする時には、いつ、どこで、何のために、いくら支払ったのかが分かるように領収書やレシートの裏に書いておくようにしましょう。
領収書などをうっかり失くしても大丈夫なように、手帳、スマホのスケジュールなどでもこまめに管理しておくと安心です。
また、青色申告をしていれば、2006年4月1日から2022年3月31日までの期間に取得した仕事に使うパソコンなどの備品は「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金参入の特例」により、単価が300,000円未満のものを長期利用できる固定資産とみなし、金額を分割せずに経費計上することができるので知っておくと良いでしょう。
まとめ
今回は一人親方の税金対策を徹底解説し、経費を増やして節税する方法をご紹介しました。
一人親方の税金対策は、経費をできる限り増やして所得金額を少なくするのが一番効果的な節税方法です。
支払いの時には必ず何のための出費か書く癖をつけ領収書を必ず取っておくようにし、諸経費に計上できるものはどんどん経費にしていきましょう。その上で所得税控除、税額控除もぜひ併用してみて下さい。