吊り足場の組立手順は？手順書を元にして解説

吊り足場の組立手順1：準備作業

まずは準備作業について説明します。

ミーティング

ミーティングでは、まず当日の人員について確認します。
主な項目は人数・新規入場者の確認、健康状態の確認です。
体調不良者の不安全行動が問題となる場合もあるので注意しましょう。

作業手順の確認

予知・予測される危険箇所を作業員全員で検討します。
作業主任者が中心となり、作業方法の改善に努めることで、現場の危険予測や有害箇所の把握につながります。
危険予測について共通認識を持っている、あるいは改善して安全に作業できる環境を整えておきましょう。

有資格者の適正配置（今回の作業の場合）

足場の組立には、特別教育を受講した足場組立等作業主任者 、玉掛け技能講習修了者が必要です。
適切な指示や作業の進行に大きく関わる内容ですので漏れのないようにしましょう。

点検

保護具、使用工具、資材の点検を行います。
不良品の交換や損壊の有無の確認は必須です。
特に安全帯や手すりなど、命に直接関わるものに関しては確実に交換しておかなければなりません。

立入禁止処置

バリケードやロープを用い、作業関係者以外の立入禁止を表示します。
囲いは確実に行いましょう。

吊り足場の組立手順2：組立作業

続いて組み立て作業の手順について説明します。

組立前点検

不良品の有無はもう一度確認しましょう。

各種取り付け

親綱、スタンション等安全設備の取り付け

スタンションの間隔は概ね10m以内になるようにしましょう。
親綱には命綱を掛けることになるため、できるだけあとで掛けやすい位置に設置するのが望ましいです。
設置の際には仮に身の回り近くにあるチェーン取り付け孔等に命綱を掛けておくとよいでしょう。

親御パイプの取り付け

吊りチェーンの間隔は、概ね1200mm程度が一般的です。
また、単管ジョイント部分は自在クランプを緊結とし、最低2個以上使用しましょう。
バランスを崩すことによる転落や、資材の落下に注意しておきましょう。
資材の受け渡しは掛け声を用いるなど工夫して相手の動作に合わせることが重要です。

ころばしパイプの取り付け

転ばしパイプの間隔は概ね900mm程度が標準とされています。
注意点は親御パイプと同様です。

足場板の敷き詰め

足場板の端部はね出しは100〜200mmの範囲内にしましょう。
足場板は端部を重ねることなく突き合わせ、継ぎ手とします。
緊縛紐などで落下しないよう細心の注意を払って受け渡しを行いましょう。
最低でも3点支持とし、安全対策を万全にしてください。

パイプの取り付け（手すり兼用）

建てパイプの間隔は1800mm程度を基準とします。
最下段の布パイプの取り付け高は作業床より1m以内とし、必要に応じ中さんを取り付けましょう。
チェーンの取り付けを確実に行い、緩み等の内容にしてください。
破断、外れによる倒壊や崩落といった事故に繋がりかねません。

落下防止網の取り付け

網の継ぎ手部分は引っ張る力により開口しないよう注意しましょう。
結び紐は衝撃に耐えられるよう頑丈なものを使用します。

以上で組立は終了ですが、これらの取り付けについては、直接転落事故に繋がる恐れがあるため、念入りに行いましょう。
その際、命綱を確実に親綱に取り付けてください。
また、工具の特性をしっかりと把握した上で使用するようにしましょう。

まとめ

今回は吊り足場の作業手順について解説しました。
高所での作業になるため、入念なミーティング・点検を行い、最後まで細心の注意を払って組み立て作業を行う必要があります。
転落・墜落事故の危険を予知し、安全対策を万全にした上で行いたいですね。