鳶職にヤクザや元ヤクザが多いイメージがあるのはなぜ？

鳶職にヤクザや元ヤクザが多いイメージがあるのはなぜ？

鳶職(とびしょく)は高所での足場組み立てなどの作業を行う仕事です。
高所作業なので危険が伴いますし、高い技術が必要になる、現場の花形的なお仕事です。

しかし、なぜか「鳶職にはヤクザや元ヤクザの人が多い」というイメージが根強く存在しています。
このイメージはどこからきているのでしょうか。

まず、映画やドラマの影響が考えられます。
映画やドラマなどの作中に登場する現場仕事をしている人は、しばしば短期で暴力的なキャラクター像で描かれることがあります。
ヤクザをやめた人が社会復帰のためにまず現場仕事をする、というイメージも多いでしょう。
しかしそうした実態があるかどうかは定かではありません。

次に、鳶職や建設関連の会社に「◯◯組」という名称が多いことが可能性として挙げられます。
ヤクザや暴力団が「◯◯組」という名称で活動しているイメージがあることから、鳶職の「◯◯組」をヤクザと混同してしまっている人がいるかもしれません。

また、ネット上で探してみると、「知り合いの鳶職で指が一本ない人がいる＝元ヤクザかもしれない」といった声もありました。
ヤクザを辞める時に指を詰めたのではないか・・・と確かに勘違いしてしまいそうですが、単純に現場での作業や前職などで指を失っている方の可能性は否めません。
そのため、鳶職をしていて指がない方がいたとしても、一概に元ヤクザだとは言い切れないのではないでしょうか。

さらにネット上の声を見てみると「鳶職にヤクザが多い」と本当に思っている人ばかりではないことも分かってきました。
というのも、鳶職をはじめとする現場関係の仕事は、一つのミスが大きな事故のリスクにつながりかねないため、現場は緊張感がありますし、上の人から厳しく叱られることも多いです。
そのため「現場での怒鳴り声が怖い」「上下関係が厳しい」などのイメージから、ヤクザっぽいという印象に繋がっていることが考えられます。
実際にヤクザが多いかどうかは確かめようがありませんが、そうした厳しい現場のイメージからヤクザを連想する人が多いと考えられますね。

鳶職の仕事は危険を伴います。怪我をするリスクだけでなく、命の危険もある仕事です。
そのため、現場で働く人々はいつも仕事に真剣に取り組んでいますし、働く人の安全を思っているが故に、危ないことやミスを見つけると厳しく叱責するのです。

「怖そう」「厳しい」というイメージはあながち間違っていないかもしれませんが、その背景には仕事への熱い思いと、現場で働く人たちを守りたいという愛があるのをもっと広く知ってもらいたいですね。

まとめ

今回は、鳶職にヤクザや元ヤクザの人が多いというイメージは本当なのか、について考えてみました。
結論としては鳶職にヤクザが多い、というのは誤ったステレオタイプであり、実情に伴ったイメージではないということです。
鳶職の世界は常に危険と隣り合わせであり、仕事に真剣に向き合うことが求められます。
それゆえ時には現場で怒号が飛び交うこともありますが、その背景には仕事への情熱と愛があるということを知っておきたいですね。