鳶職人の仕事といえばハードなイメージがありますよね。
中には定年まで働くパワフルな方もいるのですが、普通の人なら歳をとると思うように体が動かなくなりますし、体力も落ちます。
ずっと現場で働き続けるのは難しいかもしれません。
人によっては転職を考えるかもしれませんが、専門性が高い職業なので年齢を重ねてから異業種へ転職を決めるのは難しかったりします。
そのため、行き当たりばったりではなく、元気でエネルギーがあるうちに「どれくらい働くか、どのようなキャリアを歩んで行くか」を少しずつ考えておくのが望ましいでしょう。
鳶職人は何歳まで働けるの?
鳶職人のお仕事は若い人たちでさえもキツいと感じるほどの重労働です。
年齢を重ねるごとに体力や運動神経が衰えていくため、実際のところ何歳まで働けるのか疑問に思いますよね。
まず前提として、鳶職を含めた建設業界に何歳までしか働けないという年齢制限はありません。
自分次第で何歳まででも働くことが可能です。
事実、60歳を超えても一人親方として働く作業員の方を見かけることがあります。
「体に限界がくるまで働く」という方が多いのではないでしょうか。
しかしその一方で、20〜40代で早期に引退(転職)する人もいるので、本当に人それぞれだと言えます。
年齢ごとの仕事内容の変化
鳶職人にも足場鳶から重量鳶、鉄骨鳶、橋梁鳶など様々な専門分野があるため、仕事内容は多岐にわたります。
そのため、今回はあえて特定の分野に絞ることはせず「年齢ごとに求められる役割」をまとめてみました。
中卒〜高卒の仕事内容
18歳未満は5メートル以上の高所で作業することが禁止されています。
そのため、18歳になるまでは資材の運搬など、足場組み立ての補助作業を行います。
高所での作業がないとはいえ、指示された資材をひたすら運び続けるのはなかなか過酷な作業です。
中には10キロ以上ある資材を肩に担ぐなどして運ぶ必要があり、慣れないうちは全身筋肉痛になること間違いなしです。
しかし、それがあるからこそ自然と体が鍛えられていき、日々のハードワークにも耐えられる自分へと成長していきます。
20〜30代の仕事内容
20〜30代は現場の作業員として働く人がほとんどだと思います。
20代の間は主に足場の組立や解体を行います。
足場鳶として数年経験を積んだ後は、重量鳶や鉄骨鳶としてオールマイティに活躍するべく、コツコツ資格などを取得してより専門性の高い鳶職へ転職、キャリアアップしていく人もいます。
鳶職人として仕事の幅を広げ、日々の頑張りを親方から評価されれば、20代後半から30代で「職長」としてほかの職人を束ねる仕事を任されることもあるでしょう。
職長は指示業務だけでなく、施工管理や安全管理なども手掛けます。
そのため責任もグッと大きくなりますが、成長スピードは段違いに早くなります。
40代以上の仕事内容
40代を超えたあたりから、一気に体力や運動神経が衰えます。
以前は苦もなく出来た作業も昔以上の労力が必要になります。
そうした理由もあって、多くの人にとっては40代を超えたあたりで徐々に現場での作業は減っていき、代わりに書類作成や管理業務などのデスクワークがメインになっていきます。
多くの人はこの年齢に差し掛かったあたりで、キャリア選択の大きな分かれ道を迎えることになるでしょう。
具体的には、職長や親方などの人材育成や管理業務を主業務にするか、そのまま作業員として現場仕事を続けるかを選択することになります。
あるいは異業種に転職する人もいるかもしれません。
しかし、冒頭でも述べたように「体に限界がくるまで働きたい」と現場の作業員を続ける人も少なからずいらっしゃいますよ。
鳶職人は年齢を重ねたらどうするべき?
鳶職の仕事は肉体的にとても負担が掛かるため、定年までパワフルに働き続けるのは多くの人にとって難しいでしょう。
そこで気になるのが、鳶職人の先輩たちは年齢を重ねたらどうしているのか?ということだと思います。
実際いろんな選択肢があるのですが、主な選択肢としては以下の3つがあります。
- 体力がある限り現場で働き続ける
- 親方や管理職など、現場を管理する側にまわる
- 営業職に転職する
意外に思われるかもしれませんが営業職など全然違う業界に転職する鳶職人もいます。
鳶職人には超ハードワークに耐えられる肉体や体力、怖い先輩たちにしごかれることで鍛えられたメンタル、そしてコミュニケーション能力が備わっている人が多いです。
それ故に、鳶職人は営業職の仕事にも適性があるのです。
営業スキルは汎用性が高く、年齢を重ねていても転職先が見つかりやすいため、長期的に見れば鳶職に負けず劣らず魅力的な職業である可能性もあります。
しかし、だからといって「営業職になりなさい」というつもりは微塵もありませんし、どんな仕事をするか決めるのは自分自身です。
もし現場での仕事が好きなら、体力がある限り続けるのがいいでしょう。
体力的にキツいと思うなら、管理職や営業職などの仕事にシフトさせていくのも良いと思います。
自分が何歳まで働けるかと考えずに、「何歳まで働きたいか」あるいは「何歳まで働く必要があるか」と考えましょう。
その方が長期的な目線で仕事と向き合うことができ、結果的に満足のいくキャリアを歩める可能性が高くなります。
まとめ
今回は「鳶職人は何歳まで働ける」のか、また「年齢ごとの仕事内容」についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
鳶職人は自分次第で何歳まででも続けられますが、30代から40代にかけて徐々に現場を離れていく人が多いです。
若いときは現場の仕事をこなす体力やエネルギーがありますが、歳を重ねるごとに段々とキツくなっていくからです。
とはいえ、定年を迎えても働き続ける鳶職も中にはいます。
周りの人たちのキャリアプランは参考程度に留め、あなたがどう生きていきたいかで決めましょう。