鳶職と土方って何が違うの？違いを詳しく解説

鳶職と土方の違いとは？

鳶職と土方は、どちらも建設業の仕事という点では共通していますが、それぞれの仕事内容は全く異なるものです。
しかし、中には似ている作業もあるため、外から見ただけでは違いがわからない場合もあるでしょう。
ですので、ここからは鳶職と土方の仕事内容を比較し、それぞれの違いについて解説していきたいと思います。

鳶職の仕事内容

鳶職の基本的な仕事は足場の組立・解体をすることです。
枠組み足場・単管足場・くさび形足場など、様々な足場材を現場の建物の形状に合わせて使い分けます。
その他にも、鉄骨で建築物の骨組みを作ったり、クレーンを操作して重量物を搬入することもあります。

土方の仕事内容

土方は建築業界の中で最もスタンダードな仕事だと言われています。
現場の下準備をするのが仕事であり、主に土を扱う工事を専門に行います。
たとえば、資材搬入や現場の掘削・道路整備、河川工事といった場所で活躍しています。

扱うものが足場材と土であり、鳶職と土方は似ても似つきません。
しかし、それでも混同されてしまうのは何故なのでしょうか？

鳶職と土方を混同してしまう原因

土方は土を扱う工事の専門家でありながら、実は作業範囲が非常に広範囲に及びます。
たとえば、簡単な足場組みをやったり、資材の積み込みや運搬などをすることによって、鳶職人の補助作業をすることがあるのです。
建設工事は専門分野のちがう職人たちが入れ替わり立ち替わりで作業を進めて行くのが普通ですから、まさか鳶職と土工が一緒になって仕事をしているとは思いません。
それで鳶職と土方の差がわからず、勘違いしている人がいるのでしょう。
たしかに、これではどこからが鳶職の仕事で、どこからが土工の仕事か、その違いがあまり分からないのも無理ないかもしれません。

【知っておきたいこと】土方は差別用語？

土方は昔の呼び方であり、「特別な技能を持たない者」や「日雇い労働者」 など社会的身分が低いことを暗に示す差別的な言葉だと言われています。
IT業界でも豊富な知識・経験を積んでいながら割りに合わない労働環境で働いている人のことを「IT土方」と呼ぶことがあります。
これは土方に差別的な意味合いが含まれていることを示唆しているのではないでしょうか。

正しくは「土工」や「土木作業員」になるのでしょうが、それらの言葉も人によっては受け取り方が異なります。
中には誇りを持って自ら土方と名乗る人もいますが、その呼称をコンプレックスに感じる人もいます。
ですので、出来る限りそれらの言葉を使用するのは控え、「職人さん」と呼ぶのが無難な選択だと思います。

まとめ

今回は「鳶職と土方の違い」を仕事内容を比較することによって解説いたしました。いかがでしたでしょうか。
鳶職と土方の大きな違いはメインで扱うのが「足場材」か、「土」かどうかにあります。
鳶職の仕事は主に足場の組立・解体や建築物の骨組みを組み立てることです。
土方は資材搬入や現場の掘削、建設現場や道路の整備などを行います。
土方は雑用として幅広い仕事をこなし、時として足場の組立・解体の補助作業を行うことがあります。
もしかすると、それが原因で混同されているのかもしれませんね。