太陽光発電の設備は以前に比べ価格が下がり発電効率も格段に上がったため、節電と万一の時の電気確保、また電力会社に余剰分を買ってもらうのを目的に設置する家が増えてきました。
しかし、施工会社により工事価格に大きな差があります。これは取付工事の際に足場を組むかどうかが反映されている面もあるのです。
太陽光発電工事に足場の設置は必要なのか
実は、今のところ屋根への設置工事の安全基準に足場の設置は義務付けられていません。
地域によっては労働基準監督署が注意喚起していますが、顧客の購入意欲を上げるためになるべく安い金額を提示したい施工会社も多いです。しかし設備代金は安くできないため、仮設足場を組む費用を削って工事費を抑えているのです。
近年はデザイン性に富んだ家屋が多く屋根の角度が鋭角で、足場がない状態での工事は危険性が非常に高く、職人の転落事故につながっているという現実があります。
こうしたことから太陽光発電工事には仮設足場の設置を義務付けて欲しいという声が上がってきています。
足場を組まない施工会社は断るべき理由
ここからは太陽光発電の設置で足場を組まない施工会社を断るべき理由について解説いたします。
パネル取り付けに不備が出る場合がある
太陽光パネルの大きさは基本的に同じ規格で作られていますから、屋根の広さ次第ではぎりぎりで軒まで足の幅ほどしかないこともあります。
そうすると作業をする姿勢が不安定なものになり、留め具が十分な力で締付けられていないなどの不備の原因になってしまいます。
壁面への配管工事に不備が出る場合がある
パネルから電気変換器へつなぐ電気配線を管などに通して壁面に取付ける場合、ハシゴや脚立では足元がぐらつきしっかりとした作業がしづらく、部品をしっかり留められない原因になります。
また、2階建て住宅ですと高所作業(床面から2m以上での作業)に相当し、労働安全衛生法で定められている足場・柵の設置義務に違反します。(短時間作業の場合は命綱着用が義務付けられています。)
職人が転落する危険がある
安全が確保されていない状態での作業は転落事故に直結し、重い後遺症が残る怪我を負ったり死亡してしまうことも有り得るのです。
近隣の人との間にトラブルが起きる可能性がある
傾斜のある場所での工事なので、部品や工具が滑り落ちることも考えられます。
隣家との間隔が狭い、下に駐車場がある、道路が通っているといった時には隣家の家屋を損傷する、車が壊れる、悪くすると通行人に当たり怪我を負うような大きな事故が起きてトラブルの元になります。
こうした足場を組んでいれば防げる不備や事故。
工事費を削ることで見積もりを安くし少しでも多く契約を取ろうとするような施工会社は信頼できる会社とは言えません。
価格が他社より魅力的に見えてもきちんと安全面を確かめて発注して下さいね。
まとめ
太陽光発電は環境に優しく電気料金の節約になるのですが、初期費用は発電用のセットだけでもかなりまとまった額になります。しかし、後で工事のやり直しが必要になるのも、近所付き合いが微妙になるのも避けるためには足場を組んで安全な仕事をする会社を選びましょう。