職長になるためには、職長・安全衛生責任者教育(職長教育)を必ず受講していなければなりません。
作業の熟練度が十分でも、安全管理や作業員への指導方法などきちんと学ぶ必要があるためです。
職長安全衛生責任者教育(職長教育)の有効期限・更新はあるの?
職長安全衛生責任者教育(職長教育)は全14時間におよぶカリキュラムを2日間で受講し、修了証を受け取ります。
修了後、永続的に効果が持続するわけではなく、約5年ごとに4時間分の職長・安全衛生責任者能力向上教育(再教育)を受講することが求められています。
また、機械の設備等に大きな変更があった場合にも、再講習を受講することが推奨されています。
現場での作業には必ず危険が伴いますし、新しい機械や設備を導入することになれば、現場作業員全員が初めての経験となることも少なくありません。
そのような中であっても、確実に作業員の安全を確保していかなければならないのです。
現場での作業や機械設備等に大きな変更等がなければ、5年目を終える頃に受講することをおすすめします。
職長安全衛生責任者教育(職長教育)の追加教育や再教育はどんなもの?
職長安全衛生責任者教育(職長教育)を修了しても、5年ごとに職長・安全衛生責任者能力向上教育(再教育)として4時間分の講義を受講すべきということは前項で確認しましたが、全体でどのくらいの時間を要するのか、テストはあるのかなど、疑問もあると思います。
以下に、職長・安全衛生責任者能力向上教育(再教育)のカリキュラムを示しましたので、参考にしてください。
職長等及び安全衛生責任者として行うべき労働災害防止に関すること(2時間)
建設業における労働災害の発生状況や、労働災害の仕組みと発生した場合の対応等について学びます。
また、作業を円滑に進めるため、作業方法の決定及び労働者の配置の仕方や、作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法についても学びます。
他にも、異常時等における措置や、安全施工サイクルによる安全衛生活動、職長等及び安全衛生責任者の役割など、職長や安全衛生責任者として求められる資質について学びます。
労働者に対する指導又は監督の方法に関すること(1時間)
労働者に対する指導、監督等の方法や効果的な指導方法について学んだ上で、伝達力の向上のために様々なアプローチの方法を学びます。
危険性又は有害性等の調査等に関すること(0.5時間)
危険性又は有害性等の調査の方法や、設備、作業等の具体的な改善の方法を学びます。
グループ演習(2.25時間)
・災害事例研究
・危険予知活動
・危険性又は有害性等の調査及び結果に基づき講ずる措置
この3つの項目のうち、必ず1つを実施することが定められており、それぞれの内容についてグループで事例を元に意見交換をします。
合計時間は5.75時間(=5時間45分)で、このあとの修了証交付を含めた1日間の受講となります。
もちろん体調不良等により途中で退出した場合などには修了証が交付されることはありません。
そのような点にも気をつけたいですね。
まとめ
職長は職長教育を修了した後も5年ごとに職長・安全衛生責任者能力向上教育(再教育) として6時間弱程度の講義を受講することが求められています。現場の安心安全を守るためにも定期的な受講を心がけたいものですね。