川俣ダムと紅葉のコラボレーションの美しさは以前から人気で観光客が写真を撮りに訪れていましたが、2018年から始まった川俣ダムの大規模補強工事に伴い組み上げられた巨大な足場に感動した人たちがSNSに写真を投稿したところ瞬く間に噂が広まりました。
「川俣ダム」工事の足場が迫力あると話題になっている!
川俣ダムは、水圧をアーチ状に湾曲させ両側の岩盤に圧力を分散させるタイプのダムであるため両岸との強固な接合が必要不可欠で、完成後50年を過ぎ建設時に打ったアンカーの経年劣化の補強をするために新たなアンカーを設置することになりました。
アンカーの大きさは15.2mmのPC鋼線を14本ずつまとめたもので削孔直径216mmとなり、右岸で最長50m前後、左岸は最長70m以上という大工事で、施工会社も現場の状態を見ながら工夫し判断しているようです。
紅葉と共に撮影された美しい写真ですが、足場部分を見ると枠の大きさから相当な規模であり、起伏がある険しい山肌に沿わせて組まれているのが分かります。
ちなみに、奥に見える白い筋状のものは観光用の吊り橋です。
このサイズからもダムの規模が見て取れますね。
次に右岸と左岸の足場を下から撮影した写真をご紹介しましょう。
右岸の足場は約90m、左岸で約70mにも及ぶ威容に、SNSでは「この姿は既に芸術の域に達している」「まるで巨大な要塞だ」といった声が上がっています。
その反響により数々のメディアにも取り上げられ多くの観光客を呼びました。
これまで意識されることがなかった「足場」が注目を集めている!
高層ビルの建設現場で高くそびえる仮設足場を何度も目にてきたのに、また何かのビルを建てているくらいにしか思わず側を通り過ぎていたことでしょう。
それは、無意識のうちに足場というものは平坦に整地した場所に垂直に組むものと考えていたからに他なりません。
しかし、第1層を組む場所さえ満足に確保するのが難しい川俣ダムの壮大な足場に、こんなことができるのかと感動を覚え賛辞を送っています。
2020年の秋に工事が終了するまでに、この素晴らしい足場の光景を写真に撮ろうとダムに足を運ぶ人がまだまだいることでしょう。
匠の精神を持った職人たちの仕事
これだけの高さで仕事をしなければならないのに足場幅を広く取れない。けれど職人の安全を第一に考えて試算を重ね緻密な図面を作成した設計者にも、図面と寸分たがわぬ組立を地道に行ってここまで作り上げた職人にも頭が下がる思いだという感想がSNSを通じて広まっています。
川俣ダムの足場写真は海外にも拡散されており「これが匠の仕事だ」という感想を持った人もいるようです。
まとめ
安全な足場材を選び、最先端の技術を駆使して設計と組立てをした巨大な川俣ダムの足場は荘厳とも言える姿は芸術的なものとして鑑賞に値すると捉えられました。通常は工事が済めば覚えている人は殆どいませんが、この足場はダムと足場と周囲の自然が融合した風景の鑑賞を目的に訪れた人たちの写真の中で、ずっと特別なものとして「壮観」「絶景」という感想と共に変わらぬまま残されていきます。