建設現場は墜落・転落事故などが起きる危険度の高い環境です。
平成27年7月1日に労働安全衛生規則の改正があり、足場の組み立てなどを行う場合、特別業務の受講や墜落防止措置が必要になりました。
事故を未然に防止するためにも、足場に関連する規則をしっかりと頭に入れ、定められた法令に則って安全に作業を進めるようにしましょう。
足場の隙間は労働安全衛生規則に定められています
労働安全衛生規則は、労働の安全衛生についての基準を定めた厚生労働省の省令で、労働安全衛生法及び労働安全衛生法施行令に基づいて定められています。
作業環境の安全性を高めるための設備についてやその設置基準、事故防止のための安全対策などが含まれており、足場板の隙間に関する規定もその一部です。
足場板の隙間に関しては、第五百六十三条に次のように定められています。
第五百六十三条
事業者は、足場(一側足場を除く。第三号において同じ。)における高さ二メートル 以上の作業場所には、次に定めるところにより、作業床を設けなければならない。
一 床材は、支点間隔及び作業時の荷重に応じて計算した曲げ応力の値が、次の表の上欄に掲げる木材 の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる許容曲げ応力の値を超えないこと。
二 つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによること。
イ 幅は、四十センチメートル以上とすること。
ロ 床材間の隙間は、三センチメートル以下とすること。
ハ 床材と建地との隙間は、十二センチメートル未満とすること。三 墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、次に掲げる足場の種類に応じて、それぞれ次に掲げる設備(丈夫な構造の設備であつて、たわみが生ずるおそれがなく、かつ、著しい損傷、変形又は腐食がないものに限る。以下「足場用墜落防止設備」という。)を設けること。
イ わく組足場(妻面に係る部分を除く。ロにおいて同じ。)
次のいずれかの設備
(1) 交さ筋かい及び高さ十五センチメートル以上四十センチメートル以下の桟若しくは高さ十五センチメートル以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備
(2) 手すりわく
ロ わく組足場以外の足場 手すり等及び中桟等 四 腕木、布、はり、脚立(きゃたつ)その他作業床の支持物は、これにかかる荷重によつて破壊するお それのないものを使用すること。五 つり足場の場合を除き、床材は、転位し、又は脱落しないように二以上の支持物に取り付けること。
六 作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、高さ十センチメートル以上の幅木、メッシュシート若しくは防網又はこれらと同等以上の機能を有する設備(以下「幅木等」という。)を設けること。
ただし、第三号の規定に基づき設けた設備が幅木等と同等以上の機能を有する場合又は作業の性質上幅木等を設けることが著しく困難な場合若しくは作業の必要上臨時に幅木等を取り外す場合において、立入区域を設定したときは、この限りでない。
足場板の隙間に関する規定
足場板の隙間は「12㎝未満」にしなければならないと労働安全衛生規則で定められています。
また、床材間は隙間を「3㎝以下」にすること、幅は「40㎝以上」という決まりがあります。
隙間を狭く維持することで、作業中に物が落下したり、踏み外したりしないように防ぐことに繋がります。
これらの規定が適用されないケースもありますので、現場ごとに確認が必要です。
隙間が開いてしまう場合には隙間塞ぎ板やすきまステップ(すきま板、隙間カバー)などのアイテムが販売されていますので、それらを用いて足場の隙間を埋めるようにしましょう。
参考資料:足場からの墜落防止のための措置を強化します ー 厚生労働省
まとめ
今回は、足場板の隙間に関する労働安全衛生規則の規定について解説しました。
規定に従い、適切な安全対策を講じることで、作業員の安全を守り、事故を未然に防ぐことができます。
建設業界においては、常に安全な作業環境の構築を心がけることが求められています。
現場に関わる人全てが安全意識を高く持ち、足場など建設業に関連する規則には必ず目を通し、理解を深めておくようにしましょう。