足場の親綱とは？張り方や間隔、設置基準など紹介

足場の親綱（おやづな）って何？

足場工事において、命綱のついたベルトである安全帯を引っ掛けるためのロープを親綱（おやづな）といいます。
親綱は支柱や手すりに掛けられます。
ナイロンなどの繊維質でできたものや中にワイヤーを通した丈夫なものなどがあります。

足場の親綱の張り方や間隔、設置基準は？

足場の親綱の使用上の注意点は、以下の通りです。

親綱支柱の使用方法

親綱ロープを利用する時は安全帯をつけて、そこにこのロープを接続します。
安全帯は体全体を支えるもののほうがよく、そういうものならば体にかかる負担は小さくなります。
（胴ベルト型の場合、D環(ストラップ巻取り部)が後方に来るように調節する。D環が身体の前方にあると墜落の際、腹部を頂に身体が折れ曲がり(鯖折り状態)になるため危険です。）

ロープを接続する時は、落下した時のことを考えて行ったほうがいいです。
例えばロープを自分よりも下の所に接続しておくと、落下時により大きなダメージを受けます。そういうことを避けるためにもこのロープは、自分よりも上の方に接続した方がいいです。
それ以外でも尖ったところにロープを触れさせていると、何かあった時に切れるので注意をした方がいいでしょう。

また、以下の点にも注意が必要です。

• 支柱の奥まで鉄骨フランジに差し込み、締め付ボルトを十分に締める〔締付トルク：6kN・cm以上〕
• 安全帯は安全性の確認されたものを用い、安全帯のランヤードの長さを1.7m以内にして使用
• 支柱用親綱を固定する支柱のスパンは10m以下にして下さい。また、1スパン1人での使用

墜落した場合に、振り子状態になって、物体に激突しないように使用したり、落下阻止時に下方の障害物に接触しないようにします。

足場用親綱の品質管理はとても重要！

水平親綱支柱システムは使用に際し次の事項を点検し，異常のないことを確認してください。
異常を認めたときには使用しないこと。また、直ちに修理等の必要な措置を行うこと。

水平親綱支柱システム各部材の変形・磨耗等の有無、親綱支柱の取付金具等の取付部の作動の異常の有無、緊張器の機能の異常の有無なども要チェックです。

• 親綱支柱の取り付け等は，次のように行ってください。鉄骨梁，Ｈ形鋼のフランジ等の支持物に取付金具等の取付部で確実に行う
• 枠組足場の脚柱，横架材等の支持物に確実にセットするものとする

さらに、以下に該当し強度等の確保が困難であるものは，支柱用親綱として使用しないようにしてください。

• ロープに切り傷等の損傷があるもの
• 著しい摩耗又は溶断等の損傷があるもの
• 親綱として使用中，落下衝撃を受けたもの

支柱用親綱又は合成繊維ロープの控綱の末端は，それぞれ専用の緊張器を用いてください。

まとめ

足場の組立作業時だけでなく、組立作業後の足場の利用には親綱システムが必要です。
親綱支柱システムの親綱や支柱は十分な強度を持ったものを使用してください。
水平親綱はD環よりも高い位置に設置するようにしてください。落下時の負荷で内蔵や腰を痛めることになり危険です。
支柱のスパンは10m以下としてください。1スパンに1人のみです。
墜落した時に障害物に激突しないように使用してください。