建物の傾斜や凹みなどによって、足場から壁面が離れている時、足場から作業床を張り出す必要があります。
この張り出し作業床の支えとして使用されるものにブラケットがあります。
高所作業の安全面からもしばしば使用されています。
ブラケットとは
ブラケットは水平材、斜材、垂直材および建地へ取り付けるための2個の取り付け金具より構成されたもので、ブラケットの先端は足場板等の脱落防止用の脱落防止板または手すり柱受けを有するものとします。
張り出し型ブラケットは幅が300mm〜600mmのものが望ましく、かつ高さは200mm以上であって、幅の30%以上あるものとされています。
ブラケットの性能は500kgの荷重に耐えるものでならないものとしています。
ブラケットの構造と寸法は、水平材、斜材、垂直材及び2個以上の取付金具より構成されたもので、形状により、固定型、伸縮型、張り出し型に分類されます。
固定型ブラケット
固定型ブラケットは、水平材の長さが一定のものです。
伸縮型ブラケット
伸縮型ブラケットは、水平材が伸縮し幅が可変のものです。
主に、フック付きの踏板を掛ける時に使われます。
先端の差し込み管が、伸縮します。
抜け防止をしていますので安全に使用できます。
国元商会(クニモト)のKS伸縮ブラケットが有名です。
高度なしぼり加工技術を生かした金属プレス加工による建設資材・耐震金物の製造メーカーです。
東京スカイツリー、あべのハルカスなど超高層ビルの建設現場ではクニモトの仮設資材は「クニモトなら安心」と高い評価と信頼を得ています。
1970年代、東大寺の大仏殿の修理に参加し、その中で鉄板とパイプをつなぐKS コ型クランプの開発に成功しました。
KS コ型クランプは一度締めると工事が終わるまで決してゆるむことがないと、その高い安全性が評価されて今日に至っています。
(コ型クランプとは、材料を作業台に固定する工具で工事現場での振動に強くなるように作られています。)
張り出し型ブラケット
張り出し型ブラケットは、幅が300mm〜600mmのものが望ましく、かつ高さは200mm以上であって、幅が30%以上あるものとされています。
ブラケットの使い方
組み立て方にはルールがあります。
見た目で判断して「これはこう組める」「これをここに取り付けられる」と安易に考えてはいけない組み立て方もあります。
取扱説明書などをよく読んで使いましょう。
ブラケットは単管ブラケット足場によく使われます。
単管ブラケット足場のメリットは強度や安全性が高いことです。
ボルト(クランプ)で部材をしっかりと固定するため、高い安全性が確保されます。
また、組み立ての自由度が高い職人に合わせて高さや躯体との間隔を細かく調整できるため、作業効率のアップにつながります。
単管ブラケット足場のデメリットとしては他の足場に比べ工期が長いことです。
板をボルトで固定しなければならないため、工期が長くなってしまいます。
金具の固定時に騒音が出てしまうボルト(クランプ)で固定する際に音が出てしまうため、周囲への配慮が必要です。
まとめ
ブラケットは水平材、斜材、垂直材および建地へ取り付けるための2個の取り付け金具より構成されたもので、ブラケットの先端は足場板等の脱落防止用の脱落防止板または手すり柱受けを有するものとします。
ブラケットの使い方についてはメーカーによりルールがあるため見た目だけで判断せずに取扱説明書をよく読んでください。