腰道具は、鳶職人さんが気持ちよく作業できるように支えてくれる、縁の下の力持ち的な存在です。
デキる鳶職人さんほど腰につけている腰道具はキレイに整頓されていて、必要な工具を必要な時にサッと取り出すことが出来ています。
鳶職人のお仕事はスピード勝負なところがありますから、早くて良い仕事をするためには、道具選びや腰道具のカスタマイズがかなり重要になってきます。
鳶職の腰道具の名前は?
腰道具とは、鳶職人たちが作業に使う道具を装着するためのベルトと、そこに取り付ける道具類の総称のことです。
腰道具のベルトには、安全帯が付けられるハーネス型の「全身タイプ」と「腰にまくだけタイプ」の二つがあります。
現場によって必要な道具は違いますが、
主に使われる道具には以下のようなものがあります。
- 工具指し
- 工具落下防止ロープ
- 腰袋
- スケール、コンベックス
- 水平器
- アルミハンドルミニニッパ
- ラチェットレンチ
- ハンマー
- 安全帯
それぞれの道具の特徴などについて解説していきます。
工具差し
これにドライバーやラチェットレンチ(シノ)などを差します。
着脱可能なタイプの工具差しは、使わない時に取り外したり、工具の配置を簡単に変更したりできて非常に使い勝手がいいですよ。
工具落下防止ロープ
基本的には高所での作業になるので、工具を落下させようものなら大変なことに。
ワイヤーが一般的ですが、リール型のものやヒモで結び目を作って落下を防止する方法もあったりします。
腰袋
道具やネジなどを入れたりするための袋です。
鳶職人になりたての方ですと、大きすぎても中身がごちゃごちゃして混乱するかもしれないので、それほど大きい腰袋は必要ないかもしれません。
スケール、コンベックス
必需品です。
マグネット付きのスケールなら金属部分に貼り付けて固定しながら測れたり、マーカーを引いたりといった作業もやりやすいので重宝します。
水平器
こちらも持ってた方がいいです。
体の前側に配置するとそのまま測れるのでオススメです。
アルミハンドルミニニッパ
番線や鉄線などの切断に使います。
カラビナという取り付け具に対応しているタイプもあり、カスタマイズの幅も広いです。
ラチェットレンチ
これ一本でボルトを締めたり、番線を巻き上げたりすることができます。
番線で足場を固定する機会も少なくないので、シノ付きがおすすめ。
長さが選ぶ際のポイントですが、「短い方が邪魔にならない」という声や「長い方が番線が締めやすい」という声もあるので、自分に合う長さを選択という形になります。
ハンマー
一日中歩き回るとなると、わずか数百グラムの差でも結構疲れ方が変わってくるので、ハンマーは「重さ」で選んでも良いかもしれません。
ゴムタイプと金属タイプがありますが、現場に応じて使い分けましょう。
安全帯
現場によってはハーネス安全帯の着用が義務付けられていることもあります。
安衛法や安衛則では作業場の高さが6.75m超え(建設業では5m超え)の場合は着用することになっていますが、よくわからない方は現場の先輩などに聞いてみましょう。
鳶職の腰道具の配置
腰道具の配置ですが、前にあると作業の邪魔になったり歩きづらかったりします。
そのため、道具が腰の後ろに来るように配置するのが基本です。
配置する順番は人によってそれぞれです。
使っていくうちにこの道具はここに配置すると使いやすい、などが分かってくるので、まずは他の人に配置を聞いてみたり、ネットで動画や画像を見て参考にするのが良いでしょう。
今回はYoutubeに動画を上げられている琉徳チャンネルの「まこっちゃん」さんの配置を参考までにご紹介します。
まこっちゃんさんの場合、左から番線カッター、スケール、腰袋、モンキーレンチ、インパクトドライバー、ラチェットレンチ、ハンマー、水平器と配置しています。
今回ご紹介した道具以外も使っていらっしゃいますが、鳶職人になって15年以上のベテランさんともなれば携われる作業もたくさんあります。
それ故に豊富な道具を使い分けているということですね。
あとは現場によって必要な道具が違ったりするので、必要に応じて少しずつ揃えていくのが良いと思います。
ざっと説明しましたが、言葉だけでは伝わりにくい部分もあると思うので、以下の動画もよければ参考にしてみてください。
鳶職の腰道具のカスタム方法
最後に腰道具のカスタム方法ですが、基本的には工具差しやカラビナ、腰袋を先にベルトに通して取り付け、その後に工具類を自由にカスタマイズしていくだけです。
ただ、自由度が高い分、特に初心者の方だと、どうやって取り付けていいのか分からない部分も結構出てくるかもしれません。
以下の動画で一つずつ取り付けている様子が確認できるので、こちらもよかったら参考にしてみてください。
まとめ
今回は鳶職の腰道具の名前や配置、カスタム方法などについて詳しく解説いたしました。
いかがでしたでしょうか。
使う道具や使いやすい配置は人それぞれなので、自分に合ったカスタムを見つけていくのが一番です。
最初はどうやって配置していいか分からないと思いますが、現場の先輩に教えてもらったり、ネット上などで他人のカスタムを見てマネしていくうちに段々と見えてくるものです。少し配置を変えるだけでも、目に見えて作業効率が上がったりすることもあるので、ぜひいろいろなカスタムを試してみてくださいね!