建設物の仕上げには、必ずと言って良いほど天井に対する施工が必要になります。
天井は屋根裏を隠すだけでなく、直射日光の遮断や保温効果のほか、照明や空調設備の設置場所となるなど、様々な役割があり欠かせません。
高所作業(2m以上の高さがある箇所)にあたるため、足場工事の際に注意しなければならないポイントがいくつかあります。
天井の足場工事を行う方法は?
天井の足場工事は作業する範囲や高さによって方法が異なります。
主に、
- 移動式の足場台(はしご)をおく場合
- 足場材を組んで足場を設置する場合
の二種類に分けられます。
詳しく解説していきます。
①移動式の足場台(はしご)をおく場合
移動式足場の品質の高さがポイントになります。仮設工業会やJISに認定されているもので、SGマークやAマークがあるものを選びましょう。より安全に安心して作業を行うためには、必ずこれらの基準を満たしている作業台(はしご)を選ぶようにしてください。
②足場材を組んで足場を設置する場合
市販の作業台(はしご)では作業することができないような高所であったり、大量の足場台が必要になるような広範囲の現場である場合がほとんどです。
大量の足場材が必要になったり、作業員の数がいつも以上に大幅に増える場面が多いため、足場材の品質の統一や現場作業員との意思疎通、工程の共通認識など、作業に入る前に整えておくべき課題が多くあります。
こちらも仮設工業会やJISに認定されている、SGマークやAマークが付いているものを基準に、経年劣化がないかなど十分に注意しましょう。作業員に対しては、マニュアルの作成やミーティングの実施を行うとより効果的です。
天井の足場工事を行う際に気をつけるポイントは?
天井の足場工事を行う際に気をつけるポイントは3つあります。
①落下防止措置
落下防止措置は安衛則などにも記載がある通り、必ず実施しなければなりません。
足場からの転落による死亡災害は依然として大きな問題です。
養生シートや安全ネットなどを用いるだけでなく、安全帯を使用し墜落防止に努めるとともに、親綱やヘルメット、安全靴等の使用を必ず確認することで、安全な環境を確保しましょう。
②床、壁への影響
人体だけではなく作業をしている足場からの落下物も、事前に防いでおく必要があります。
また、足場材と作業員を合わせた積載物によって生じる、床への影響を最小限に抑えなければなりません。
養生シートやベニヤ板などを用いて、事前に対策をしておく必要があります。
面倒に思える対策ですが、実施を怠らず落下予防に努めましょう。
③転倒防止
壁つなぎや控え(やらず)を使用し、転倒の防止に努める必要があります。
②で、壁に傷をつけない、傷を最小限にするなど、気をつけるべき点を挙げましたが、転倒防止のための措置は非常に重要で欠かすことができません。強度が物足りない場合は、火打ちを設置することも検討し、ここで手を抜くことがないようにしましょう。
まとめ
様々な作業を行う際の安全対策となる足場。1つでも確認を怠ることで大事故に繋がってしまいます。
特に天井の作業を行う場合、10m以上高さがある箇所での作業が多い上、室内への影響を最小限に抑えなければならないため、慎重で繊細な作業が望まれます。ぜひ、これらのポイントを基本に、十分な安全を確保して作業を行ってください。