一般的に、足場は水平が取れた地面に設置されます。
当たり前といえば当たり前ですが、やはり地盤が安定していた方が足場の強度も保たれますし、設置も容易だからです。
しかし、設置面の傾斜がきつい現場や、下に川が流れているような現場ではどうでしょう。
通常通りに足場を組むわけにはいきません。
傾斜の緩やかな場所であればジャッキベースなどと組み合わせて対応することも出来るかもしれませんが、別の方法を考える必要があります。
一体どのようにして足場を組めば良いのでしょうか?
その解決策の一つとして、ブラケットを使って足場を組むことが挙げられます。
足場用の三角ブラケットの役割は?
画像参照:配管部品.com
足場用の三角ブラケットとは、足場の作業床を張り出す際の強度アップを目的として使われる三角形(L字型)の部材のことです。
三角ブラケットには主に以下の4種類があります。
- 固定型ブラケット
- 伸縮ブラケット
- 折りたたみブラケット
- ネットブラケット
それぞれ解説します。
固定型ブラケット
固定型ブラケットは水平材の長さが一定になっているブラケットです。
壁面に直接取り付けられるため、安定性が高いことが特徴。
ただ、固定されているため作業範囲が限定されてしまうのが玉に瑕(きず)です。
伸縮ブラケット
伸縮ブラケットは固定型ブラケットと違い、水平材の長さを伸び縮みさせることができるブラケットです。
足場の幅を自由に調整することができます。
使い勝手が良い分お値段も少し張りますが、サイズも大小さまざまなため、現場に合わせて適切な作業空間を確保しやすいというメリットがあります。
折りたたみブラケット
折りたたみブラケットは、その名の通り折りたためるブラケットです。
折りたためることで持ち運びがしやすく、かさばらないので収納も容易。
一方で、折りたたみブラケットは角パイプで作られているため、フック付きの布板といった一部の作業床は使用できないという欠点もあります。
ネットブラケット
ネットブラケットは躯体と足場の間にネットを設置するために使われる、少し小ぶりなブラケットのことです。
使わない時は折りたたむこともできて邪魔になりにくいです。
足場用の三角ブラケットの活用用途
三角ブラケットはブラケット足場を組む際に使われます。
ボルトでしっかりと固定するため強度が高く、高所に設置しても強風に耐えられるほどの強度を実現することが可能です。
ブラケット足場は15m近く(3階建て相当)の高さまでなら組むことができるため、隣り合う建物との距離が狭いような現場でも柔軟に対応できます。
ブラケット足場の特徴
ブラケット足場の特徴は以下の3つがあります。
- 強度や安全性が高い
- 組み立ての自由度が高い
- 狭い通路でも対応しやすい
一般的な二側足場のようにしっかりとした足場を組めることが好ましいですが、やはり現場によっては難しい場合もあります。
その点、ブラケット足場はさまざまな現場に対応しやすいため、低層住宅を中心に手がけている業者にとっては重宝するでしょう。
一方でデメリットもあります。
まずはボルトでしっかりと固定する必要があるため、工期が長くなりやすいこと。
そして、ボルトを取り付ける時に騒音が発生してしまうことです。
騒音問題はブラケット足場に限ったことではありませんが、足場設置時には近隣住民への配慮も十分にしておくべきです。
まとめ
今回は足場用の三角ブラケットの役割や活用用途についてご紹介いたしました。
いかがでしたでしょうか。
ブラケットは基本的には張り出し足場の強度を保つための部材です。
さまざまな種類があり、固定・伸縮・折りたたみ・ネット用などがあります。
直角三角形をしたシンプルな作りの部材ではありますが、強風に耐えられるほどの強度を実現できるため、縁の下の力持ち的な存在です。