足場では様々なネットが登場します。
たとえばグリーンネット、メッシュシート(ネット)などがその一例ですが、その中の一つにラッセルシートというものがあります。
強度が高く、安全な作業環境を整える上で非常に重要なネットの一つですので、ぜひこの機会に用語が意味することや用途について理解していきましょう。
足場の「ラッセルネット」とは?
参照:明治商工株式会社
「ラッセルネット」とは、主に工具や小物の落下防止、人の墜落防止を目的として使われるネットのことです。
水平養生ネット、安全ネットなどと呼ばれることもあります。
足場と壁面の間や、大型の工事現場であれば鉄骨の間に水平に張り巡らされているネット(青色が多い)のことですね。
同じく落下防止目的で使われるネットに”グリーンネット”がありますが、その違いは強度。
グリーンネットでは人の墜落防止を目的とするには強度不足ですが、ラッセルネットは強度も十分。
耐衝撃性や耐候性にも優れているため、紫外線による劣化や雨風にも強く、たいへん丈夫なネットです。
また、一般的なネットと比べて網目が細かいことも特徴として挙げられます。
ただ、網目が細かいとは言っても、塗料や砂塵といった非常に粒子が細かい飛散物は防ぐことができません。
網目の大きさは15mm程度であるため、防げるのは小さなボルトやナット程度が限界でしょう。
飛散防止の目的ではメッシュシートと呼ばれるシートが用いられますので、目的に応じてネットを使い分けることが重要です。
ラッセルネットの用途
前述の通り、ラッセルネットの主な用途は工具の落下防止や人の墜落防止です。
設置の際は労働安全衛生法第28条第1項で規定の「墜落による危険を防止するためのネットの構造等の安全基準に関する技術上の指針」を守る必要があります。
安全ネットの設置基準[1]や算出方法については過去の記事でも解説していますので割愛しますが、いくらか使用上の注意点もあります。
ラッセルネットの注意点
ラッセルネットの最大の注意点としては、労働安全衛生法で規定されている設置基準を守ることです。
ただ、その他にも以下のような注意点がありますので留意しておきましょう。
- 網糸が労働安全衛生法で規定する強度を有しないネットは使用できない
- 一度人体の墜落やそれと同等の重さの落下物による衝撃を受けたネットは使用不可
- 破損した部分が補修されていないネットを使用してはいけない
- 強度が明らかでないネットを使用してはいけない
特に注意すべきは2つ目の「一度人体の墜落やそれと同等の重さの落下物による衝撃を受けたネットは使用不可」という部分でしょうか。
見た目上は何の問題も見られなくても、実際は糸の耐久度が落ちている可能性も考えられます。
既に人体程度の重さの落下物による衝撃を受けたネットは絶対に使用しないよう注意してください。
まとめ
今回は足場の「ラッセルネット」やその用途についてご紹介いたしました。
いかがでしたでしょうか。
ラッセルネットとは、主に工具や小物の落下防止、人の墜落防止を目的として使われるネットのことです。
足場関連のネットだけでもグリーンネット、メッシュシート、そしてラッセルシートなどがあります。
同じネットでもラッセルネット、水平養生ネット、安全ネットなどと呼び名が異なることがあるためややこしく感じるかもしれませんが、一度覚えてしまえば簡単ですのでぜひこの機会に頭に入れておきましょう。