足場材の一つにパイプサポートがあります。
あまり聞き馴染みがない言葉かもしれませんが、言葉を聞いてパーツのイメージや用途などが頭に思い浮かぶでしょうか?
もし思い浮かばなかったり曖昧だった場合は、ぜひこの記事で理解してスッキリしましょう。
【専門用語】足場材のパイプサポートとは?詳しく解説
パイプサポートとは、床や梁、屋根等の荷重を支えるために用いられる筒状の支柱のことです。
丸い鋼管が内管と外管の二重構造になって繋がっているため、長さを自由に調整できます。
金属製の突っ張り棒と言えばイメージしやすいでしょうか。
パイプサポートは主に型枠支保工で使われます。
型枠支保工の意味を理解していた方がパイプサポートの役割をより理解できると思いますので、ここからは型枠と支保工についても解説します。
「型枠」はコンクリートを流し込む型
型枠とは、コンクリートを流し込む型のことです。
コンクリートが固まるまでの間、コンクリートが流れ出ないように形を留めておく役割があります。
しかし、形を留めておくと言っても生易しいことではありません。
コンクリートには非常に重量がありますし、コンクリートは型枠の中に流し込むと内圧が発生して強い負荷が掛かるからです。
型枠は流し込むための型なので、そうした荷重に耐えられるほどの強度はありません。
そこで支保工と呼ばれる構造物を設置し、型枠を補強するという訳です。
「支保工」は型枠を支えて補強する構造物
支保工とは、コンクリートが固まって型枠が外せるようになるまでの間、型枠が崩れて壊れないように支える構造物のことです。
支保工には型枠を支えるための仮設足場が組まれることがあり、それを支保工足場と言います。
足場工の皆さんからすると足場は高所作業のために組み上げるもの。
しかし、実は仮設足場は作業用だけでなく、構造物を支える目的でも使われることがあります。
同じ足場でも色々な使われ方をしているのは面白いですね。
ちなみに、支保工足場は作業足場として使うことを想定されていないため、基本的に作業足場として使うことができません。
必要に応じて別途作業用の足場を組むのが一般的です。
また、支保工の設置には高さが3.5mを超えると監督署への届出が必要になるというルールがあります。
この高さには足場の上に設置したパイプサポートも含まれるため、超えていたら忘れずに申請してください。
パイプサポートの種類と耐荷重
パイプサポートには以下の表のように1〜9尺までの長さが用意されています。
種類 | 使用寸法 |
9尺 | 2600mm~3940mm |
7尺 | 2100mm~3350mm |
6尺 | 1800mm~3040mm |
5尺 | 1500mm~2590mm |
4尺 | 1200mm~1995mm |
3尺 | 900mm~1415mm |
2尺 | 600mm~940mm |
1.5尺 | 450mm~620mm |
1尺 | 300mm~445mm |
一般的な家屋の屋根であれば5〜7尺を使用することが多い印象です。
耐荷重は規格によって若干ちがいがあります。
たとえば、仮設工業会認定の7尺で5000kgですが、JIS規格の7尺だと4500kgです。
特に海外製品は日本国内での基準を満たしていないケースもあるため、必ず使用前にどこの合格認定マークがあるかを確認しておきましょう。
まとめ
今回は足場材の専門用語「パイプサポート」について詳しく解説いたしました。
いかがでしたでしょうか。
パイプサポートとは、床や梁、屋根等の荷重を支えるために用いられる筒状の支柱のことです。
内管と外管の二重構造になって繋がっているため、長さを自由に調整できます。
長さは1尺〜9尺なので「3尺を伸ばして使え」といった指示が出たら、パイプサポートの3尺を使うのかな?と汲み取れるようになりたいですね。