足場屋の多くは依頼者から注文を直接受ける元請けではなく、元請けから依頼を受ける下請け、または下請けから依頼を受ける孫請けに該当します。
元請けから下にいくにつれて中間マージンが発生し、工事代金がどんどん安価になっていきますから、なるべく儲けを増やすためには下請けの立場から元請けの立場へとシフトしていくべきなのです。
元請けとは?
冒頭でも述べた通り、依頼者から注文を直接受けるのが元請けです。
基本的には元請けから下にいくにつれて、工事代金がどんどん安価になっていきますから、下請け業者が大きな利益を出すのは難しいです。
また、近ごろは建設不況の影響で工事数が減少傾向にあり、業者間の競争が激化しています。
その結果、案件を獲得するために自ずと工事代金が低くなり、儲けを出しにくい状況が続いています。
今後下請け企業は更に厳しい状況に追い込まれることが予想されるため、生き残るためには安い工事代金を受け入れるか、元請けにシフトするかの2択になると思います。
足場屋が元請けになるメリット
下請けから元請けにシフトすることで利益を上げやすくなることはわかりましたが、それ以外に得られるメリットにはどのようなものがあるでしょうか?
下請けから元請けになるメリットには次の3つがあります。
幅広い業務を受けられる
元請けになることで幅広い業務を受けられるようになります。
たとえば、元請会社がお客さんから「自宅の壁を塗り替えたい」という依頼を受けたとしたら、自分たちが下請けの場合は元請けの塗装業者から「足場を組んで欲しい」と頼まれますよね。
しかし、自分たちが元請けになれば逆に塗装業者に依頼する立場になれます。
自分たちの専門である足場業務は自分たちで行い、専門外の業務は下請け業者に依頼する。
そうすることで、幅広い業務を受けられるようになるのは元請けになるメリットの一つです。
下請けに業務の一部を任せられる
元請けになるメリットの2つ目は、下請けに業務の一部を任せることが出来ることです。
下請けに依頼する仕事は自分たちの専門外の仕事だけでなく、自分たちの専門である足場工事も含まれます。
繁忙期になると仕事が多すぎて自分たちだけでは全ての仕事をこなすことが出来ないという場面が出てきますよね。
しかし、せっかくの依頼を断るわけにもいきません。
そんな時に、元請けであれば下請けに業務の一部を手伝ってもらうことでより多くの仕事をこなすことが可能になります。
もちろん、大規模な工事にもなれば1次下請から2次下請へと仕事が回っていくこともありますが、より多くの利益を出すためには元請けを目指すべきでしょう。
コストダウンできる
元請けになるメリットの3つ目は、コストダウン出来ることです。
もし、幅広い業務を全て自社で手掛けるとなれば、保有する資材や機械などはとても多くなってしまいますよね。
しかし、下請けに依頼する場合は自分たちの業務に関連する備品だけでいいので、発注や支払い業務などの手間が減らせます。
また、それに加えて人件費も大幅に削減できます。
閑散期の時期でも無理に雇用する必要がなくなるので、人件費を減らせると共に経営上のリスクを軽減できます。
自分たちにとってはコストを削減できますし、下請けにとっては仕事が貰えるので、win-winな関係を築くことができますね。
足場屋が元請けになるには?
元請けになるために必要なことは「集客力を高めること」です。
下請けは集客を元請けに頼っていますが、元請けになると自分たちで集客しなければなりません。
ポスティング、電話営業、飛び込み営業など、地道な営業活動が元請けになるためには必要不可欠です。
また、近年ではパソコンやスマートフォンで業者を探すお客さんも増えているため、自社のホームページを作って集客することも重要です。
たくさんの競合他社がいる中でも差別化が出来るように自社の強みを磨き続け、集客力を高めることが元請けになるための第一歩になります。
まとめ
今回は足場屋が下請けではなく「元請け」にシフトすべき理由について解説いたしました。いかがでしたでしょうか。
下請けから元請けになることで幅広い業務を受けられるようになりますし、コストダウンも出来るので利益を確保しやすくなります。
優良な下請け会社と関係を築いておくことや、集客力を高める必要があるという課題はありますが、元請けになるメリットは大きいです。
下請けとしての仕事をこなしながらも、少しずつ元請けの仕事の割合も増やしていきましょう。