鳶職の代名詞とも呼べるニッカポッカですが、現在は使用禁止になっている現場も多いようです。
ダボっとしたあの感じがたまらなく好きな人もいると思いますが、一体どうして禁止になってしまったのでしょうか?
禁止になるからには必ず理由があるはずなので、その理由について深掘りしてみたいと思います!
そもそもニッカポッカとは?
ニッカポッカとは、股下がダボっとしていてゆとりのある設計になっているズボンのことです。
主に、土木や建築工事の作業員が着用しています。
「カッコいい」デザインで「男らしい」風貌に見えることから、今でも一部の人たちからは根強い人気があります。
また、ニッカポッカは鳶職の仕事でも重宝されていました。
何故かというと、ヒラヒラした部分が出っ張った物に触れた感覚を頼りにして障害物を避けることができたり、風が強いと七分がバタバタとなびくので、それを見て「地走り」や「下まわり」の職人たちが風の強さを把握しやすかったり。
それによって安全な玉掛け作業をこなすことが出来たり、といった様々なメリットがあったからです。
見た目だけでなく、安全性の観点からも優秀なゴト着だったようですね。
しかし、これらのメリットがありながらも、ニッカポッカは使用禁止になってしまいました。
それは一体なぜでしょうか?
鳶職名物のニッカポッカが使用禁止になった理由とは?
禁止されている理由は諸説ありますが、主な理由は次の2つとされています。
- 安全面を考慮
- 建設業のイメージアップ
それぞれ解説していきます。
ニッカポッカが禁止になった理由1:安全面を考慮
ニッカポッカのダボっとしたヒラヒラが差し筋や障害物に引っ掛かって転倒したり、足場から転落してしまう恐れがあります。
高所作業での危険防止に一定の効果が期待できるものの、別の危険が生じる可能性があるのです。
安全対策によって転落事故は緩やかな減少傾向にあるものの、ゼロには出来ていません。
国やゼネコンとしても転落事故を減らすことの方が優先度が高いですから、ニッカポッカを禁止しているのでしょう。
ただし、現状はまだ、すべての現場で禁止されている訳ではありません。
ニッカポッカを一律禁止する現場もあれば、ロング丈タイプのニッカポッカはNGだが、7分丈ならOKという現場もあるようです。
ニッカポッカが禁止になった理由2:建設業のイメージアップ
世の一部の人たちは建設業に対して「怖い」あるいは「学がなくても出来る仕事」などと、あまり良いイメージを抱いていない場合もあるようです。
そのため、ニッカポッカ=建設業に従事している人、建設業に携わっている人は怖い人という連想から、建設業へのイメージダウンに繋がることを懸念して禁止しているとも言われています。
なぜ現場で平ズボンが推奨されているのか?
ニッカポッカが禁止された理由はなんとなくわかりましたが、なぜ平ズボンが推奨されているのでしょうか?
平ズボンが推奨されている理由は、主に以下の3つだと思われます。
- 安全性
- 機能性
- 見た目
それぞれ解説していきます。
平ズボンが推奨されている理由1:安全性
ニッカポッカ特有のダボダボは風の強さを敏感に察知してくれる一方で、障害物などにそのダボダボが引っ掛かって転倒してしまう恐れがあります。
その点、平ズボンであれば身体にピッタリとフィットするのでその心配はなくなります。
平ズボンが推奨されている理由2:機能性
最近の平ズボンはストレッチが効いている素材のものも多く、動きやすいです。
また、「熱に強い」素材や「静電気が発生しにくい」素材で作られたものもあるとか。
おまけに、最近では迷彩柄やジーンズのような見た目のおしゃれなデザインがたくさん登場していますから、若い層を中心に平ズボンを好んで履く人も多いようですね。
平ズボンが推奨されている理由3:見た目
建築業のイメージアップとも関係していますが、ニッカポッカが禁止される一つの理由として、「怖い」印象を与えてしまうというのがあると思われます。
見た目から判断されることを避けるためにも、平ズボンが推奨されているのかもしれませんね。
まとめ
今回は「ニッカポッカが使用禁止になった理由」や「平ズボンが推奨される理由」などについてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
ニッカポッカは転倒・転落事故の防止や、建設業のイメージアップを目的として禁止されるに至ったのではないかと思われます。
ただし、現状では完全に禁止されている訳ではなく、7分丈であればOKという現場もあるようです。
鳶の代名詞でもあるニッカポッカが無くなっていくのは少し寂しい気もしますが、時代は移り変わるものです。
名残惜しいですが、少しずつ受け入れていきましょう。