枠組み足場やくさび式足場などにはインチ規格、またはメーター規格と呼ばれる、2つの異なるサイズ規格が存在します。
インチとメーターはそれぞれ長さを表す単位ですから、名前からも採用している長さの基準が異なることは想像できるかと思います。
しかし、このインチ規格およびメートル規格は絶対に間違えられない概念なので、しっかりと知識を整理しておく必要があるでしょう。
足場材のインチ規格とメーター規格とは？
枠組み足場の建枠・ジャッキベース・昇降階段・筋交・手すりといった足場部材には、インチ規格とメーター規格の2種類のサイズが製造されています。
サイズが違うといっても数センチ程度のちがいですが、一見すると見分けが付けにくいので少々厄介です。
インチとメーターで部材の組み方が変わることはありませんが、規格が違う部材で組んでしまうと構造に誤差=強度上の問題が発生してしまうため、数センチのちがいが命取りになる可能性もあります。
インチとメーター、異なる規格の併用は絶対NGですので、取り扱いには十分な注意を払いましょう。
足場材の規格がインチとメーターの2種類ある理由
勘の鋭い方は「なぜ間違えてはいけないような、併用できない部材を作ったの？」と思われるかもしれませんが、実は数字のキリが悪いインチ規格と、キリの良いメートル規格が誕生したことにも理由があります。
もともと、枠組み足場はアメリカから日本に輸入されてきた足場ですが、当時はインチ規格の製品しか製造されていませんでした。
アメリカではヤード・ポンド法が採用されていますから、インチ規格で作られるのはごく自然のことだったのです。
日本人にとっては馴染みのない”インチ”でしたが、当時はそれしかなかったということと、枠組み足場が優れた足場であったこともあって国内にも浸透していきました。
しかし、インチが日本人にとっては馴染みのない単位であることも事実です。
長い年月が経つと、日本人にも直感的にわかりやすく、キリの良い数字のメーター規格を採用した製品が作られました。
インチ規格とメーター規格の2つが存在する背景にはこうした歴史があったんですね。
足場材のインチ規格とメーター規格を見分ける方法
購入時ならば製品説明欄などにインチサイズ、あるいはメーターサイズといった表記があるので容易に判別できますが、実物からそのどちらに該当するかを目視で判断することは出来ません。
そのため、インチ規格とメーター規格を見分けるには実際に測るのが一番確実です。
資材のサイズの測り方にはある規則がありますので、資材の正しい測り方をご存じでない方はこの機会にしっかり押さえておきましょう。
足場材の資材サイズの正しい測り方
足場資材のサイズを測る際には「芯々(芯芯)」を意識して測ることが重要です。
芯々とは柱や壁などの部材の中心から中心まで、または通り芯の間の長さのことを指します。
資材を測ったことがない方にとっては「部材のどこを中心とすればいいの？」と疑問に思うかもしれませんが、
たとえば、アンチ(布板)の長さを測る時には両端についているフックの中心から、もう一方のフックの中心までの長さ。
筋交であれば、部材の両端に空いている小さな穴の中心ともう一方の穴の中心の間の長さを測ります。
芯々という2点間の測り方は足場資材全般に共通する測り方ですので、測り方を忘れないようにしておきましょう。
まとめ
今回は足場材のインチ・メーター規格について徹底解説しました。
いかがでしたでしょうか。
インチ規格とメーター規格のちがいは「サイズが若干異なること」にあります。
背景には米国で開発されたインチ規格の部材はキリが悪いため、日本人にとって馴染み深くキリの良い数字のメーター規格が開発されたという流れがあります。
インチ規格とメーター規格を併用することは出来ませんので、見分けがつかない場合は芯芯を意識して計測し絶対に間違えないように注意してくださいね。
