高所にある通路を「キャットウォーク」と呼ぶことがあります。
ネコが歩く通路としてネコを飼っている方のお部屋に設置することがあるので耳にしたことがあるかとは思いますが、足場におけるキャットウォークについては知らないという方も多いのではないでしょうか?
【足場材】「キャットウォーク」とは?
キャットウォーク(cat walk)とは名前についた意味の通り、もともとはネコの通り道のことです。
高所にあるネコの通り道のことをそう呼ぶことから転じて高所用の通路・足場の代名詞となりました。
大きな体育館や劇場の舞台などの補修や工事、点検などの際、高所の作業ができるように天井から吊るした器具などを用いて通路を設置します。
こうした高所に作られる通路のことをキャットウォークと呼びます。
また、吊り橋を架ける時、ケーブルを作るために空中にひかれる通路もキャットウォークと呼ばれることがあります。
足場工事の現場では作業用の仮設足場を組む際に型枠の上部に器具を取り付けて逆三角形に組んだ鉄パイプの上にキャットウォークを造ります。
足場におけるキャットウォークはこのような形をしています。
キャットウォークは企業・メーカーによっては「垂直傾斜面用足場ブラケット」(株式会社ホーシン)や「KS傾斜足場」(日建リース株式会社)など別の商品名がつけられていることがあります。
高所での作業、体育館や舞台などの補修・点検、防波堤工事、砂防工事、えん堤工事、擁壁工事、橋梁基礎工事や点検補修作業など様々な工事で使用されます。
キャットウォークの施工方法
続いてキャットウォークの施工方法についてご説明いたします。
- 本体や部品などを用意します。
- 最初にハマっているボルトを全て外して組み立て直します。
- 手摺柱のパイプを固定します。
- 吊金具を取り付けます。
- 斜材と垂直材を固定し、全てのボルト&ナットをしっかり締めたら本体の組み立て完了。
- バタ角に取り付け、上から足場板を敷きます。
- 浮き上がり防止金具などがある場合はしっかり落とし込んでください。
- 手摺のパイプを取付けて設置完了です。
参考:https://www.matsu-ko.co.jp/dcms_media/other/catwalk.pdf
キャットウォークの設置基準
今回は河川の上下流域の災害を予防する砂防の工事におけるキャットウォークの設置基準を一例としてご紹介いたします。
足場(キャットウォーク)の適用範囲は、型枠の組立、解体用足場を設置する場合とし、基礎地盤より2m上から対象とします。
ただし、間詰を施工(本体と同時施工)する場合は、間詰天端より2m上から対象とします。
継続工事で間詰、埋戻、水叩等が完成している場合は、その天端より2m上からを対象とします。足場(キャットウォーク)延長 足場延長の算出方法は、足場の高さ方向の標準設置間隔を1.8mとして段数を決定し算出します。
足場延長算定式
La= Aa
1.8
La:足場延長(m) Aa:足場対象面積(m2)
足場対象面積は垂直投影面積とし、足場の不要となる基礎地盤 より2.0m分は控除するものとする。
1.8:足場の上下据付(垂直)間隔(m)
※足場の不要となる基礎地盤とは、平坦(i=1/10以内)が5.0m 以上の箇所(砂防ダム等上・下流基礎、半川施工部基礎、同時打間詰天端等)、打設ブロック間の下段コンクリート面をいう。
キャットウォークの価格相場
キャットウォークの価格相場はモノタロウ、楽天市場を参照したところ9,000円〜10,000円前後です。
出品数が少ないため、ネットショップよりもメーカーに問い合わせをすることをオススメします。
株式会社ホーシンは販売・レンタルの両方を行なっている会社で、日建リース株式会社はレンタルの会社となっています。
どちらの会社もPDFのカタログの用意もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
アルミ製 垂直傾斜面用足場ブラケット「アルウォーク」(ー株式会社ホーシン)
キャットウォークの積載荷重(許容荷重)
キャットウォークの積載荷重は製品によって異なりますので、今回は前章でご紹介した株式会社ホーシンのアルミ製 垂直傾斜面用足場ブラケット「アルウォーク」と日建リース株式会社の「KS傾斜足場」を例にご紹介いたします。
アルミ製 垂直傾斜面用足場ブラケット「アルウォーク」(株式会社ホーシン)の許容荷重は1.96kN (200kg)。
KS傾斜足場(日建リース株式会社)の許容荷重は980N(100kgf)。
そのほかの製品でも100kg〜200kgが積載荷重の平均のようでした。
平均体重の成人男性2〜3名ほどまでといった数字ではありますが、使用にあたっては安全のため必ず使用する製品の積載荷重や注意事項に従ってください。
まとめ
今回は足場材のキャットウォークの施工方法、価格相場、設置基準、積載荷重などについてご説明いたしました。
キャットウォークは高所にあるネコの通り道のことをそう呼ぶことから転じて高所用の通路・足場の代名詞となりました。今回の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。