木造の低層家屋など、足場を設置する敷地が狭く、建物の形状が複雑なときに使われるのがビケ足場です。
簡単に組み換え作業ができて、形状に合わせて応用自在なこの足場は正式にはくさび緊結式足場といいます。
1979年に株式会社ダイサンが国内で初めてビケ足場という名称でリリースしてからこの名称で親しまれてきました。
ビケ足場のビケは、現場を美しく形作る「美形(びけい)」に由来しています。
ときどきピケとビケとで表記ゆれがありますが正式にはビケ足場となります。
ビケ足場は、安全性や機能性の面で現場の革新に寄与したいという願いが込められています。
くさび緊結式足場とは
くさび緊結式足場とは、四角いくさびポケットがついた支柱と、U字型のクサビがついた横材を組み合わせたもの。
組み立てに必要な道具が石頭ハンマー1本というところもくさび緊結式足場が支持されている理由の一つです。
ネジではありません。
だから、うっかり固定するのを忘れたりということもなく簡単に素早く安全性の高い足場を組立てることのできるのです。
続いて単管足場とくさび緊結式足場の違いを説明します。
単管足場は足場ジョイントで、くさび形は文字通りクサビを打って固定します。
くさび緊結式足場になると、歩み板はブラケット式になり幅が広くとれますが、鋼管1本で支えてブラケットを付けたものは一側足場と言います。
一側だとまだ不安定なので、2本の支柱で歩み板を支えるのが、クサビ緊結式二側足場になります。
ちなみに労働基準監督署では一側足場を使用しないよう指導しています。
作業に必要なこと
足場組立の方法ですが、実は足場の組み立てには資格が必要ですので、ここでは詳しくは説明できません。
事前に確認しておきたい「用意するもの」として、足場設計図、ヘルメット、ラチェット、ハンマー手袋、安全帯です。作業に入る場合は必ず資格を持った作業主任者の指示に従ってください。
大体のイメージを掴んで頂く為に、動画を探してみました。
実際の作業動画
くさび緊結式足場の中でも信和キャッチャーとして親しまれている、信和株式会社の実際の組立作業動画が以下になります。
引用元 信和株式会社
動画で大体のイメージはつかめられたでしょうか?
言葉ではなかなか説明が難しいですが、大体注意の必要なポイントはつかめるはずです。
しかし、現場では動画のような組み方はしないでください。
高所は強風であおられます。
必ず組み立てには技能講習を受けた主任者のもとで、特別教育を受けて安全管理ができるようになってからにしてください。
足場の組み立てに必要な国家資格について
5m以上の足場の組立には「足場の組み立て等作業主任者」という国家資格を持った作業主任者の指示のもとで作業を管理することが決まっています。
作業主任者になるには実務経験だけではなく技能講習と、テストを合格した人しかなることはできません。
これは足場作業者の安全だけではなく、足場を使う作業員にとっても重要なことです。
この資格は取得する以上に、仕事を進める上で重要な資格となります。手抜きや過失があれば書類送検・起訴があり得るポジションです。
法的な資格は法に縛られますが、取得後の努力が必要ですから、受講・修了証交付まででは、有資格者になっただけで作業主任者となった訳ではありません。作業主任者とは、会社から当該作業所の選任を受けた者を言います。
早く選任されるように、つまり主任者になれるように頑張ってください。
まとめ
ビケ足場とはくさび緊結式足場のこと。応用自在なこの足場は機能性が高く、安全に作業を行えます。
しかし、足場の組み立てには、資格が必要です。ここでは大体のイメージをつかんで頂く為に動画を引用しましたが、絶対に国家資格を持った作業主任者で会社から選任を受けた人のいないところで真似をしないでください。