騒音や粉塵問題、作業員の転落、工具や資材の落下を防止することで、事故やトラブルのない安全な作業環境を生み出すことができます。その際に大活躍するのが養生カバー(シート)です。
足場の養生カバー(シート)とは?
養生カバー(シート)は、足場の安全設備、外壁吹付け工事時の養生といった目的があります。
しかしそれ以外にも会社の安全面へのイメージを具現化するという重要な役割も持ち合わせているため、十分留意しなければなりません。
養生カバー(シート)には様々な種類があり、下記のように使用用途によって分類されます。
床養生カバー(シート)
床などを傷つけないようにします。引越しなどで、入口などに取り付けたりもします。
野積養生カバー(シート)
屋外の物品のかぶせ(資材養生)、日よけ、雨よけに最適です。
壁面養生カバー(シート)
建築現場の壁の保護などに。
コンクリート養生カバー(シート)
夏場の急激な乾燥防止や冬場の凍結防止、雨よけに最適です。
その他養生カバー(シート)には耐水シート(耐候性・耐水圧性)、難燃シート(燃え広がりにくいシート)、粉塵吸着シート(粉塵の飛散防止)などがあります。
以前は塩化ビニール製が一般的でしたが、いまは軽くて丈夫なポリエチレン素材で柔軟性が高く、落としても床を傷つけたり、商品自体が割れたりすることがほとんどなくなりました。
また、カッターなどで簡単に調整できるのが特徴で、色鮮やかで彩度の高いものは、職人や通行人への注意喚起の効果も期待できます。
足場の養生カバー(シート)役割は?
足場の養生カバーの役割についてご説明します。
埃やゴミの飛散、付着防止
養生シートは現場近くに埃やゴミが飛散するのを防ぐことができます。
大規模修繕工事着工となると、汚さず、傷つけず作業をするために様々な箇所を養生します。エントランスの床やエレベーター内、バルコニーのアルミ手すりなどにも及び、塗料や補修材などで汚さないための処置という意味合いが強いです。
建造物(床面)のへこみ、キズの防止
足場部材による建物や敷地床面への損傷を防止するため、足場組立工事においても養生が必要です。改修工事が済んだあとの屋上や建造物の床、壁などで、所々にへこみやキズを確認することがあります。これは養生の不手際や、未実施の場合に起こるトラブルですので、足場の組立や解体時にも細かく養生しておくことをオススメします。
仮置きする場合のキズ防止
長物を仮置きする場合は、端太角などを用いて部材を壁面や床面に直接置かないよう気をつける必要があります。少し斜めに傾けて一時的に立てかけられますが、この立てかけた場所の床面に傷がついてしまいます。また、壁つなぎや腕木、ブラケットなどの小さな部材は、床面に置いている場合があります。立てかける箇所の壁面や床面にも養生材を敷き、細かな部材もそこへ置くのが効果的です。
足場下のキズ防止、清掃作業の短縮
そしてなかなかされていないのが、足場を組んで行く際の下の養生です。
アンダーベースや敷板の下に、900㎜巾や1800㎜巾などの巻物のブルーシート(白色などもある)を敷いていくと効果的です。足場部材のための養生ではなく、塗料や劣化したタイル・コンクリートのカス、補修の際にでるゴミなどから床面を守ります。このブルーシートを使用しているかどうかで、足場解体後の汚れ具合に雲泥の差があることがわかります。
まとめ
養生カバー(シート)はポリエチレン素材が主流となっており、主に、埃やゴミの飛散、付着防止や建築部材を置いたり落としたりした場合のへこみやキズを防止する役割があります。また、鮮やかな色は注意喚起の役割を担っており、養生カバー(シート)の設置は足場工事に欠かせない作業の一つです。