工事現場に足場を設置する場合、労働基準監督署に書類を提出しなければなりません。
足場設置届を提出する際に必要な書類がいくつかあります。
足場設置届について
「足場設置届」の正式名称は「機械設置届」で、足場の高さが10m以上の場合、労働基準監督署に提出しなければなりません。
提出期限が組立開始日の30日前に提出しなければならない決まりとなっています。
設置期間(組立~解体まで)が60日未満であれば届け出は不要です。
提出の際は通常、仮設計画書、足場立面図、詳細図などを添付し、正副2部提出します。
提出がない場合、最大で50万円の罰金刑です。
(仮に罰金がない場合でも相当のお叱りをされることを覚悟しておいたほうが良いでしょう。)
仮設計画書などの足場立面図や詳細図の作成が必要
仮設計画そのものは、施工を実施する元請け会社が計画するものです。
足場をどう組むか、どういった仕様で、どこに配置するのが効率的かなど計画されたものです。
大方針は元請け会社が設計事務所に図面のCAD化を依頼して作図します。
建築士設計事務所社内に、施工経験豊富な社員がいれば大方針まで考えて作図する場合もありますが現場所長によって考え方が違うので、設計事務所側がすべてを考えることは通常ありえません。
設計業務などではないので、仕事の合間に対応する程度の仕事です。
現実の工事の際に心配になるのは安全面とその過程において躯体の強度です。
もしも足場自体の強度はあるにしてもそれが躯体と合体ないしは、風圧などで躯体に負荷がある場合、躯体のその時点での保持できる強さが問題となります。
そのため足場の強度計算だけでなく躯体の構造計算も求められています。
最低でも日本仮設工業会の設置基準に準拠させることが求められます。
もちろん、元請け会社が施工計画書を含む仮設計画書を作成し、監督員は計画書を確認するものとなっています。
設計段階では、単に積算上の数量と金額は推定しますが、足場の組み立て方についての計画はやはり元請け会社が計画を立てるものとされています。
計画届には、全行程の計画を添付する必要があり、足場や型枠支保工の計画内容も当然含まれ、足場の部分に、足場の設置届をつけてその内容を添付していればよいということになっています。
足場設置図を作成する参画者の資格は?
足場設置届の作成は参画者には学歴、職歴、勤務年数等を確認して記入します。
- 足場の仕事に係る工事の設計監理または施工監理の実務に3年以上従事した経験
- 建築士法第12条の1級建築士試験合格者であること
- 建設業法施工令第27条の3に規定する1級土木施工管理技術検定または1級建築施工管理技術検定合格者
- その他労働大臣が定めた者であること
- 労働安全コンサルタント試験合格者で、その試験区分が土木または建築である者
上記、1・2・3・4については建築工事における安全衛生の実務に3年以上従事した経験を有する者、または労働大臣が定める研修の修了者であることが必須です。
上記が足場設置図の作成に関する参画者の資格です。
※足場=つり足場、張出し足場以外で高さが10m以上の足場
機械設置届に関するルールは労働安全衛生法第88条を根拠条文としていますので88条申請業務ともよばれます。
まとめ
労働安全衛生法第88条を根拠とする足場設置届、正式名称「機械設置届」は組立開始日の30日前に提出が必要です。
仮設計画書などは元請け会社などが作成することになります。
その計画書の参画者には足場の施工などに関して熟知したベテランでなければなりません。
またこの88条申請業務にかかわる添付資料などは各都道府県庁の労働基準監督署によって指針が異なるため、問い合わせて正確に把握することをおすすめします。