建設業界において、足場からの転落、墜落などの労働災害は後を絶ちません。
また外国人労働者の数も年々増えてきており、こういった類の事故はむしろ増加傾向にあります。
就労者さんの生命、安全、労働環境を守るために、(財)中小建設業特別教育協会が主宰となり、各分野における特別教育を実施しています。
足場工事においては、労働災害の防止を図るため労働安全衛生規則が改正され、2015年7月1日より施行されることになりました。
これにより事業者は特別教育の実施を義務付けられることとなりました。
一方、就労者側は安全で働きやすい環境を維持できますね。
足場工事は各工事の土台となる大事な作業
そもそも足場とは建設工事には必要不可欠な建物周りの鉄のパイプと板で組まれたものです。
建設工事以外にも、建物壁面の塗装や改修工事にも足場は組まれていますよね。
たくさんの単管パイプと足場板が持ち込まれ、職人の方が足場を組立てていきます。
作業現場では単管パイプを下から上へ真っ直ぐ立ててパスして、みるみるうちに組立てられていきます。
一方、解体するときには、建物2階部分から地上にいる方へ真っ直ぐ落としてパス。
見ている側はハラハラしてしまいますが、さすが職人さん!と感心します。
まさに職人さんのお仕事です。
足場工事が終わった後、本格的に足場を使って色々な業者の方が作業を行うので、
足場工事は、各工事の土台となる重要な役割を担っています。
足場の組立て等特別教育とは?
この特別教育は2015年7月1日以降、足場の高さに関係なく、足場の組立、解体または変更の作業に携わる方全員に求められることとなりました。
すなわち、特別教育を修了しなければ業務に就けません。
なお、地上または床上における材料の運搬や整理、また足場材の緊結及び取外しの作業及び足場上における補助作業は含まれません。
極端な話、高さ50センチの足場を組立てようと思っても特別講習は必須です。
受講時間は、2015年7月1日時点で作業に従事している方は3時間でしたが、
施行後に従事される方は6時間です。
今から足場工事をやってみたいと思われる方は、6時間みっちり特別教育を受けていただき、その後、現場デビューとなります。
講習場所は北海道から沖縄まで全国各地で開催しており、講習料金は、受講料、テキスト代含めて10,300円(税込)です。
講習費用については、会社で負担してくれるところがほとんどのようです。
対象者はどんな人?
先ほどもご案内したように、足場の組立て、解体になどの工事に関わる全ての方が対象です。
受講はどなたでも可能です。
しかし、18歳未満の方は特別教育を受講することは出来ますが、
年少者が足場の組立て、解体または変更の業務に就くことはできません。
また、年齢制限を定めた法規制はありません。
受講自体に年齢の上限はありませんが、企業によっては年齢制限を設けているようです。
某ゼネコンは65歳までだったりします。
中には特別講習の受講を免除される方もいます。
足場の組立て等作業主任者の資格を持っていれば、有資格者とみなされ特別教育の資格は不要です。
下記の方は特別講習が免除されます。
- 建築施工系のとび科の訓練を修了した方
- 居住システム系建築科を修了した方
- 居住システム系環境科の訓練を修了した方
- とびに係る1級または2級の技能検定に合格した方
- とび科の職業訓練指導員免許を受けた方
手に職があるというのはかっこいいですね。
まとめ
足場工事に関わる全ての方が特別講習の対象です。
対象は満18歳の方からであれば年齢制限はありません。
我が身を守るのは自分です。しっかり講習して自分のものにしたいですね。